二つの閃光-5
「んぁぁ……ッ……ッ……」
自身が広げていた場所に何かが触れるのを感じ、花梨は吐息を吐いていた。
背筋には粟立つような心地が走り抜ける。
しかし恐怖のせいではない。
今から自分の膣が修一に快感を与えるんだと思うと嬉しくて仕方がないのだ。
いつかもっとロマンチックな場所で愛する人に優しく奪われるつもりでいた花梨。
それが、昼休みに学校の屋上で犬のような格好して貫かれる羽目になったものの、それによって修一へ快感を与えられるとなると嬉しくて仕方がないのである。
「力抜けよ? 一気に入れるからな……」
入り口の辺りに肉柱の先を押し付けられながら言われた花梨は、頬を上気させてそれに従う。
途端、
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ! くぅぅぅぅぅッ……」
予告通りに一気に貫かれ、花梨の狭い膣内は無惨にも一瞬で修一のモノのカタチに変形してしまったのだった。
その形状を記憶させるかのように、修一は腰をピタリと密着させたまま動かそうとしない。
「痛いか?」
「ぁぁぁ、い、痛いぃぃッ……くぅぅッ、んはぁ、ぁぁッ……」
「そうか。俺は気持ちいいぞ? 花梨のマ○コが俺のチ○ポをギュウギュウ締め付けてきてな。このまま動かさずにイけそうなくらいだ」
「イク……片桐が、わたしくしの中で、イク……」
イク度に「イク」と口にしなければならない花梨には、それが快感の極みであることを身を以て学習している。
よって、痛みに涙を浮かべながらも、修一が言ったことにはこの上ない喜びを感じていた。
修一は未だ腰を動かさず、深々と挿入したまま麻里子を抱き寄せ、豊乳を揉みしだきながら
「おい。花梨の頭を踏んでやれ」
と、適当な一人に言い、別の一人を麻里子と同じ様に抱き寄せる。
命じられた女の子は、
「片桐の言うことだから……ごめんね?」
と告げ、花梨の顔を地面に押し付けるように頭を踏むのだった。
「んんんッ、ああッ! イクううう! イクうううううーーッッッッッ!」
「うおおっ、すげぇ持ちいい……」
射精の手前までダブルの奉仕を受けていたためか、余すことなく密着している処女の肉襞が嗚咽するように剛直を撫で回す快感に、修一は本当に何もせず達した。
花梨はその仕打ちに歓喜し、達した余韻と共に噛み締めている。
「花梨は最高のオナホだな」
「お、なほ……?」
「オナホっていうのはオナホールのことで、男の人が一人で気持ちよくなるときに使うオモチャだよ」
心優しくも、頭を踏んだ女の子が花梨にそう教える。
そんな中、修一は両脇に抱える女の子達の胸を揉み回しながらダブルの舌フェラを施されていた。
町は夕暮れを向かえ、蒼天は黄昏に染まっていた。
その下、自宅である学生アパートに向かう修一は、授業中はどの時間もクラスメート二、三人を様々なローテーションを組んで股座に控えさせ、肉棒の世話をさせるという夢のような一日を振り返っていた。
トイレに花梨を使うことで昼休み以外は全く教室から出ずにクラスメートの体を触りまくるという公認セクハラも大層気に入ったらしく、実に快楽に塗れた一日になったようだ。
当然のように弾切れ状態になり、放課後は大人しく帰路についているわけだが、修一は満足している。
そして胸を痛めつつも更なる快楽を求めて学校ハーレム化を目論んでいた。
だがしかし、ある角を曲がったところで修一の思考は停止したのだった。
「あれ?」
思わず声にしてしまうほど辺りの様子が一変していた。
いや、正確には色彩が変化していたのだった。
黄昏を浴びて影を伸ばしていた電柱、家、自宅のアパート……修一が見ているそれらが、明らかに色を変えている。
まるで鮮やかさを失い、一昔前のセピアを思わせる茶の濃淡しか窺えない。
かたや修一自身は周囲が彷彿させる時代から取り残されたように多色を纏い、自宅の学生アパートを遠くに見上げて佇んでいる。
「え?」
修一は、今度は混乱しながら辺りを窺う。
学生アパートの壁、周囲の家の屋根、更に上の空……どれだけ目を疑っても、やはりセピアに染まっている。
現実から切り離されたような心地を覚え、修一は必死に周りを、特に人影を探し始める。
前、後ろ、何故か空にまでも視線を走らせ、漸く見覚えのある姿をその目に捕らえたのだった。