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魔眼王子と飛竜の姫騎士
【ファンタジー 官能小説】

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鉄格子の向こう側 *性描写-10


 ***

 その後、エリアスとは通信魔法でたまに顔をあわせるだけになった。
 なぜか通信は、大抵メシを喰ってたり風呂に入っていたりと、タイミングの悪い時だったが、いつでも反射的に出ていた。
 エリアスがいなくなるとすぐ、寝ようと面白半分で誘いをかけてくる女が何人かいた。
 他の作品たちは、昔は主に逆らうミスカを避けていたが、今では普通に接してくる。
 妊娠の心配もない作品たちは、タイプを問わず性に奔放だし、ミスカが今まで、エリアスしか相手にしなかったのは有名だから、興味深々らしい。
 たまたま誘われた時にもエリアスから通信魔法が来て、反射的に出てしまった。
 当然ながら、何をしていたか一目瞭然で、顔をひきつらせたエリアスに、無言で水鏡を消されてしまった。

『貴方が誰と何をいたそうと、わたくしには関係ございませんが、ああいう時には出ないでください。こちらが気まずくなります!』

 次の日、拗ねた顔で抗議するエリアスが可愛くてしかたなかった。
 関係ないと言うわりに、紺碧の目端には涙が滲んでいるのが、しっかり見えたから。

 嫌そうな顔をしながらも、エリアスは真面目に定期連絡をかかさないし、面白いほどミスカの罠にハマって抱かれてくれる。

 あの奇妙な部屋で同居していた頃のようだと思った。
 すぐそこに見えるのに、鉄格子を隔てた向こう側にいるエリアスに、ミスカの手は届かない。
 エリアスの身体を貪りながら、その貪欲で臆病な心が垣間見えるのに、どうしても手に入れることができない。



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