別れ-1
――――「大丈夫か?おい‼しっかりしろ‼」
お父さん?先生?誰か助けてくれたの??
ゆっくり瞼を開けると、そこには・・・
「・・・綱紀」
「はぁー起きたかぁ、良かったぁー・・・。」
そういって私の手を強く握りしめた綱紀。
「・・・ありがと。ここは?」
「保健室だよ。クラス戻ったら梓奈、いないし。
先生が『橘内、どこ行った?』って言ってるから、ダッシュで探しに行ったら
梓奈が倒れてて、アザあったから・・・。」
「それで、綱紀がここまで私を!?」
「まぁーな♪・・・正直、辛かった。」
バチーン‼‼
「一言余計ですー」
「嘘だよ、逆だし。お前、めっちゃ軽いw」
ニカッと見せた三日月の笑顔。
あぁ、私はこの笑顔も惚れちゃったんだっけ?
「あってか梓奈‼このアザ、誰にやられたんだよっ!?」
急に声質を変えて、聞いてくる綱紀。
綱紀だけには知らせたくない・・・。
綱紀が聞いたら、絶対あの3人組がやられる・・・。
「なぁ、梓奈‼「綱紀には関係ない‼」
少し沈黙が起きた・・・。
「はっ?」
怒ってる、綱紀。
荒口になっていくのが、よくわかる。
「なんだよ、それ」
「あっ、えと・・・綱紀が知ると―――」
「俺が知っちゃマズイ内容なのかよ」
「そういうわけじゃ・・・」
だんだん重くなる空気。
絶対言ったら・・・3人組が。
「言え・・・」
「えっ?」
「言ってみろよ、そいつの名前を‼」
ごめん・・・。
「・・・ギャル系のグループにいる、3人組。」
「ちっ、ちょっと待ってろ!」
「あっちょっ・・・」
ガラガラ、タッタッタッ―――
行っちゃった・・・。
ごめん、ごめんなさい・・・。