自覚-8
「上には何て言うんだよ?」
上とはアースと姫様にとってはゼビア王、エンにとってはファン王になる。
「友達に会いに行くだけだし、言わなくても良いだろ?」
名乗ったりしなけりゃバレやしねぇよ、と姫様……いや、キャラは寝室へと消えた。
「全く……トラブル好きなんだからなぁ〜俺の嫁さんは」
「アースには言われたくないよねぇ??」
ニヤニヤ、クスクスして話すアースとエンを見て、ケイは顔をひきつらす。
(……もしかして、物凄く余計な事したかも……)
助けにならずに余計こじれたらどうしよう……と、ケイは協力を求めた事に疑問が浮かんだ。
それでも、もし間違っていても、ゼイン達の……ポロの元へ行きたかった。
守る力が足りなくても良い、彼女の側に居たい……彼女と共に生きたい。
やっと分かった……やっと自覚した……同情なんかじゃない。
(待ってろよ。俺の……)
ケイは窓から見える海の向こう側にそっと声をかけたのだった。