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戸惑い
【幼馴染 官能小説】

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戸惑い〜始まりの日〜-2

「あのな…」

そうしてあたしは洗いざらい菜月に話した。昂太とのこと、シンちゃんがあたしの中で薄れてきてること…そしてあたしは最後にこう言った。

「あたしシンちゃんと別れる。シンちゃんは今が大事な時期やから、別れたら多少なりとも支障が出るんちゃうかって思っとってん。でも、それだけが優しさじゃないよな…」
「うーん、他に好きな人出来たのに付き合うのは失礼かもね。少なくともあたしはそう思うよ」
「そうやな…」

少し涙がにじんでうつむいたあたしの頭を菜月はポンポンと軽く叩いた。

「もう答えは出てるんだから頑張りなね」

最後に菜月はそう言って帰っていった。背中を押してくれた菜月。
ありがとう。

それから一週間後。
シンちゃんとは別れた。薄々とシンちゃんは気付いていたらしいが、たいしてもめることもなく、あっさりと別れた感じやった。
そのあっさりさが少し悲しく感じたのはやっぱりあたしの身勝手かもしれない。

もう五月。
明日からはゴールデンウィーク。
去年も一昨年も帰省した。けど今年は悩んでいた。どんな顔して昂太におうたら…お隣さんやから会わへんわけもないし。

悩むこと三時間。
もうとっくに日は沈み、時計の針は10時を指していた。

うー…今年はやめとこ。あたしほんまに意気地なさすぎやな。
嘲笑を顔に浮かべながらおもむろにケータイを手にとり、お母さんにメールを打つ。

『明日からのゴールデンウィーク、課題に追われてるから帰られへんわ(>_<)ほんまにごめんな!』

五分後。

『あら、ちょうど良かった。昂太君がそっちに遊びに行くみたいやから、迎えに行ってあげなさい』

…はぁ!?
あたしは昂太に会いたくないから帰らへんのに、わざわざ昂太がこっち来るてどーゆーことよ!
…あかん…あかんわ…旅行にでも行こかな。
そうや!
いっそのこと北海道あたりにでも高飛びして…
あたしが現実逃避を始めたその時。またケータイが鳴った。

ん?あたしまだお母さんに返してへんのに…
そう思いながらメールを開く。

『明日15時30分、東京駅』

たった一行のメール。
昂太…。
戸惑った。
なんて返そう…
さんざん迷った挙げ句、

『りょーかい。東京着いたらまたメールしてや』

と、だけ返しといた。
色々と聞きたいことは山ほどあったけど、嫌でも明日はその話になる…
…あー!やめたやめた!いくら今考えても、らちがあかんわ!

「…寝よ」

あたしはふかふかの布団に潜り込み、目を閉じる。
明日のことをあれこれ考えているうちにいつのまにか眠りに落ちていった。


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