投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

生徒会!!!
【学園物 官能小説】

生徒会!!!の最初へ 生徒会!!! 8 生徒会!!! 10 生徒会!!!の最後へ

忘れ物-6

弁当箱を俺と先輩の真ん中ぐらいの位置に置き、一人分しかない割り箸を先輩に渡した。
「あ、ありがと」
先輩は箸を受け取って割り、弁当箱を開いた。
「あ、俺は箸がないんでいいです」
「え……?入ってないって、たしかに入れたは、ず……あいつめ……」
「先輩?」
今『入れたはず』って言わなかったか?この弁当は杏ちゃんが作ったんだよな?
いやそんなことより、仮にこの大きな弁当箱が一人分だったとして、箸が二人分だったらおかしいよな。何を言ってるんだ俺は。
「は、箸がないなら、し、仕方ないんじゃない?」
だよな……結局昼抜きか……。
「し、仕方ない、から……」
先輩は箸で唐揚げを掴み、そのままピタリと動きをとめる。
「……た、食べさせても、いいけど……」
「え……」
それはいわゆる『あーん』のことだろうか。いやいや何を期待しているんだ馬鹿野郎!先輩が使った箸を使わせてくれるってだけだろきっと……ってそれもレベルたけぇ!?
「あ、あーん?」
「おわぁっ!?」
ま、まさかホントに……?
「そ、そんなに驚かないでよ。箸が一人分しかないんだから、こうやって食べさせるしかないってだけなんだからっ」
他にも方法はあると思いますけど!?余分に箸持ってきてる奴いるかもしれないし、食堂で貰ってくることもできますし!?でも俺は先輩の「あーん」を取るけどな!
俺は椅子ごと先輩のほうに体を向け、目をつむり口を開いた。
「あ、か、確認しておきたいんだけど……」
口に運ばれてくる唐揚げを待っていると、先輩が何事かそう言った。
「確認?」
「大神くんはいいの?その、『好きでもない人』とこんな、か、カップルみたいなことして……」
何言ってるんですか?先輩のこと好きですよ。って言ってみたい。
「嫌なら我が代わぐへっ」
何か言いかけた橘は、前田に肘うちをくらわされていた。
「そんなことよりぃ、役員会やんなくていいんすかぁ?」
「そ、そうだね!」
先輩はそう言って既に割られている割り箸を、さらにボキッと割って俺に渡してきた。
「よ、よーし!役員会始めるよー!」
結局「あーん」してもらうことはできなかった、か。


生徒会!!!の最初へ 生徒会!!! 8 生徒会!!! 10 生徒会!!!の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前