告白2-13
私は握っていたオマケの包みを、土橋くんに渡した。
「私の願いは叶ったから、こっちは土橋くんにあげる」
「6色あるんだよな? 他はどんな効果があるんだ?」
彼はそう言って、チョコレートの箱の裏に書いてある、オマケの説明書を街灯に照らして読み始めた。
「俺、金運がいいな」
彼は、そう言ってオマケの入った包みを開けた。
気になって、私も彼の手元を覗き込む。
ガサガサと開けた包みから出て来たのは、青いエンジェルベアだった。
一瞬、私達は黙り込んでそれを見つめるだけだった。
「青って……?」
「仕事運」
私は笑いをこらえながら言った。
「……仕事運なんて何年先の話だよ。マジ効果遅すぎ」
彼は呆れたようにため息をついた。
そんな彼の横顔をチラリと盗み見た。
彼は本当はどの色が出ても、こんな子供だましのオマケなんていらなかっただろう。
なんだかんだ言っても彼は優しいから、私に話を合わせてくれてたんだよなあと思う。
そんな彼に、こんなくだらないオマケを押し付けるのは申し訳ない気がして来たので、
「じゃあ、私もらっとくよ」
と、クスクス笑いながらストラップを受け取ろうとした。
笑ったのは、彼に余計な気を遣わせたくなかったから。
しかし彼は、グッとストラップを握りしめて、離そうとしなかった。
「青なんていらないでしょ?」
彼の動作が不思議に思えて私は首をかしげた。
「……でももらっとく。こんな誕生日プレゼントも有りだよな」
彼はそう言って、自分の携帯を取り出し、ストラップをつけようとしていた。
私はと言うと、彼の言葉に目を見開いたまま、彼がストラップを携帯につける様子を呆然と見ているだけだった。