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三叉路 〜three roads〜
【学園物 恋愛小説】

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告白2-12

「これね、あまり美味しくないんだけど、オマケのクマのストラップが人気あるの」


箱の中からオマケの入った包みを出して、私はそれをグッと握りしめて、土橋くんの顔を見上げた。


「このストラップ、全部で6色あるんだけど、特にピンクが人気あるんだ。ピンク持ってると恋が叶うって。だから、私はずっとこのストラップが欲しかったんだけど、いつも売り切れてた」


「…………」


「で、土橋くんがくれたあの時のオマケね、スッゴいレアなピンクだったの。でも、その時にはもう取り返しのつかないことしちゃった後で……」


あの時、彼の本気で怒った顔が自然と浮かんできた。


彼もまたあの日のことを思い出していたのか、少し気まずそうに私から目を逸らす。


苛立った彼が非常階段の柵を思いっきり蹴った音、舌打ちしながら乱暴に閉めたドアの音、遠くなっていく彼の背中。


思い出すと今でも涙がこみ上げてくる。


でも今、目の前で少し申し訳なさそうに俯いている彼を見ると、初めて諦めなくてよかったと思った。


私はコートの中の携帯をそっと取り出した。


少し傷がついたピンクのエンジェルベアを握る。


「今さらピンクなんて全然効き目ないじゃんって捨ててやるつもりだったけど、土橋くんがくれたものだと思うと……どうしても捨てられなかった」


土橋くんは私の隣にスッと座り、私が持っていた携帯をチラリと見て、


「効果はあったじゃん。少し時間はかかったけどな」


と言い、ようやくニッと笑った。




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