33 飛竜使いの資格-5
「ただ今を持って、カティヤ・ドラバーグを竜騎士団から除名する」
ユハ王が小さな腕で王杖をかざし、短くキッパリと宣言した。
「ま、待ってください、陛下!!これは何かの間違いで……!!」
ナハトの背から飛び降り、ベルンが抗議の声をあげる。
「ふぁ……朝も早くから、相変わらず暑苦しい男だ」
ユハは小さな欠伸を一つし、面倒くさそうにベルンを見上げた。
「ナハトは飛竜使いとしてカティヤを相応しくないとし、改めてベルンハルトをパートナーに選んだ……前代未聞の事件だが、そうしか見えなかったぞ。異議ある者は?」
「はいっ!!!!!!」
勢いよく手を上げたのは、ベルンたった一人だった。
他の竜騎士たちは、複雑そうな顔をしながらも、誰一人として手をあげなかった。
ユハがニンマリと口元を緩める。
「諦めろ、ベルン。多数決でお主の負けだ。竜騎士団長として、当分またコキ使われるのを覚悟するんだな」
数秒間ためらった末、ようやくベルンは深い息を吐き、敬礼した。
「……謹んでお受けします」