はじめての、えっち。-10
自分の体じゃ、ないみたい……。
最初にあったくすぐったさは消え、燃えあがりそうな快感が忍び寄ってきた。
ぐっ、と異物を押しこまれるような感覚。
指が千春の内側に、そろりそろりと侵入してくる。
そんなこと、自分の手でもしたことないのに……!
「だ、だめだよ、浩紀……汚い、そんなとこ……」
「汚くないよ、チイのだもん……ああ、もう……そんな声出したら、優しく出来なくなる……」
「あ、ああっ……!」
中をぐちゅぐちゅと掻きまわされるうちに、千春の官能が目を覚ます。
いい……こんな……恥ずかしいのに、気持ちいい……。
浩紀の唇を、自分から求める。
舌を絡め、唾液をすすった。
「好き……浩紀……」
「俺も……」
知らず知らずのうちに、腰が揺れ始める。
もっと、もっと……。
ふたりの間にあるものは、例え布一枚であったとしても、邪魔だと思った。
すでに体に巻きついているだけだった衣服を、すべて脱ぎ捨てる。
浩紀も、ちょっとの間でも離れたくないというふうに、慌ただしく全裸になった。
降り注ぐ月の光に、薄く頑丈な筋肉に覆われた、均整のとれた体が照らし出される。
「初めて見た……浩紀って、もっとがりがりだと思ってたのに、ずるい」
緊迫していた空気が、ふっと緩む。
「あはは、ずるいって何だよ! だから言っただろ、チイと違って運動してたからな」
「ふん! 悪かったわね、そんなこと言うなら、もう絶対に見せてあげないから!」
両手で胸を隠し、膝を曲げて、拗ねた姿勢で背を向けた。
そんな態度ができるのは、浩紀が必ず許してくれると知っているからだ。
予想通り、あっさりと肩をつかまれて、仰向けに転がされてしまう。
「馬鹿にしたわけじゃないぞ……じゅうぶん、綺麗だって。そのままで」
「う……んっ……」
抱きしめられ、肌が重なり合うと、いろんなことがどうでもよくなった。
足を大きく広げたその間に、浩紀の下腹部がある。
熱く猛った感覚が、強く千春を求めているのがわかった。
がっしりした首に腕をまわし、両腕でしっかりとしがみつく。
体はすっかり、浩紀を受け入れる準備ができている。
でも、怖い。
ぎゅっ、と目を閉じて、そのときを待つ。