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天野安冶の受難
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誕生祝い-5

俺は悩んだよ。そして俺はその日、普段は近寄りたくない実家に行った。
近寄りたくないのは俺の大嫌いな雌狐の姉貴たちが3人もいるからだ。
幸いお袋が早番で家に帰って来ていた。
俺はパートで疲れたお袋の肩を揉んで差し上げたよ。
「いったい、何が狙いだい? 安冶」
「実は今日俺の誕生日なんだけど。あっ、それはどうでも良いんだ。
今どき誕生日がどうのこうのって歳でもないしさ。
ただ明日は花祭りだろう? それで花祭りにふさわしい弁当を持って行きたくて」
「いつものように学校の購買でパンでも買って食べればいいだろう?」
「頼むよ。おはぎとか、なんか手作りのものを作ってほしい」
「馬鹿だね、おはぎは彼岸だよ。花祭りかい? じゃあ、チラシ寿司だね」
「作ってくれるかい?」
「理由を言いな。それによって判断するからさ」
そこで俺は適当な嘘をついた。俺のクラスでは花祭りにはみんな弁当を持って来る。
それが母親の手作りらしいので実は羨ましかった。
今回は高校最後の花祭り?だから、その弁当を思い出にしたいとかなんとか言ったんだ。
よくまあ、こんな嘘がすらすら出るなと、俺は自分でも呆れたね。
するとお袋は夕食にチラシ寿司を大量に作って姉貴たちをびっくりさせた。
「使い捨てパックに入れてやるから明日それを持って行きな」
なるほど俺の誕生祝いにチラシ寿司を作って、その1部を明日の弁当にするって訳か。
 
 


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