ご主人様のため・・・〜みんなの思い〜-5
「まっまじだよ〜なんだよ〜・・・」
克紀もまた突然のことに戸惑い情けない声を出していた。
「わかった。明日行く！じゃあな！」
「あっ！おいっ！明日って急すぎ・・」
ガチャ！ツー・・ツー・・ツー・・
克紀が言い終わる前に電話を切られてしまった・・・。無理もない。手掛かりがなく、難航していた亜希の捜索に、やっと光が見えたのだ！
『ガセネタだろうが、そっくりさんだろうが、行って確かめないと！！』
「こりゃ大変だ！！母さぁん！良平たち明日来るってさ！」
「あら、そうなの？」
克紀の母・万里子（まりこ）は１０人程度泊められる、民宿を営んでいる。しかし、稼ぎ時の夏休みにも関わらず、いつでも良平たちが来てもいいように、２〜３人しか予約を入れないようにしてくれている。
それは夏休み、どこにも連れていってやれない克紀へのせめてもの償いというか、プレゼントなのである。
「こっちはいつでも準備ＯＫよ！」
「さすが母さん！」
「フフッ。父さんに伝えておいてね！夕飯は父さんの腕次第なんだから。」
克紀の父・卓治（たくじ）は漁師をしている。
「はいはい！！んじゃひとっ走り、伝えてくるよ！」
「よろしくね！いってらっしゃ〜い！」
・・・・・・―――――
「母さん！明日から克紀のとこ行きたいんだけど・・・。」
「あらあら！随分急なのね！でも亜希ちゃんのことはどうするの？」
「それが、克紀が向こうで亜希に似た子を見かけたらしいんだよ！」
「でも、その子が亜希ちゃんだっていう証拠はないじゃない・・・。」
「いいんだ・・・その子が亜希じゃなくても・・・動いていたいんだ。じっと止まって考えてるだけじゃ不安でしょうがなくてさ・・・。」
「・・・わかったわ。良平。どうせ止めても行くんでしょ＾＾」
ドキッ
「うん。母さんにはかなわないや・・・。」
「そうと決まったら早速！亜雄斗くんと、亜哉斗くんと、亜由ちゃんに・・・」
「もう知らせてあるよ！みんな大慌てで準備してる！ちなみに、飛行機のチケットは父さんに頼んであるよ！」
「まぁ！それじゃ許可取りに来たんじゃなくて、報告に来たようなものじゃない！良平の行動力に負けたわ＾＾愛の力ね＾＾」
「///////////母さん！」
そんなこんなで、良平たちは沖縄へと旅立つのであった・・・。
ただし、既に医者として働いている亜雄斗だけは急に仕事を休めるワケもなく、遅れて合流することに・・・・。
「なんで俺ばっかり・・・・亜希ぃ！待ってろよ〜お兄ちゃんちゃんと行くからなぁ〜！！！！」