ご主人様のため・・・〜みんなの思い〜-3
「うわぁ〜!!すごい!!」
巨大な観覧車、鮮やかなコーヒーカップ、猛スピードで駆け抜けるジェットコースターなど、見ているだけでわくわくするものばかり。
「翔太さん!!最初はどれに乗ります?」
「結衣が好きなのに乗りなよ。今日は結衣のために来たんだから」
「ありがとうございます!!」
にこっとほほえんだその笑顔に、翔太はドキッとしてしまった。
無意識にこんな可愛い顔ができるなんて対した才能である。
「それじゃ・・・まずお化け屋敷から!」
「うわ!!本格的だなぁ・・・。」
本物の墓地を忠実に再現していて、今にもおばけが襲ってきそうな雰囲気・・・。
ガサッ
「なっなに??」
ガサッガサッ
「うらめし・・・ギャ〜!!」
「えっ?なんでおばけが逃げるの?」
綺麗な顔をしているくせに、ガンを飛ばせばヤクザ並に恐い翔太に睨まれたからである。
誰から情報が漏れたのかみんなビビってしまい、結局雰囲気だけ恐いお化け屋敷なのであった。
それからいろいろな乗り物に乗り、散々翔太を連れ回した結衣は、夜景が見たいから観覧車に乗りたいと最後のお願いをするのであった。
「うわぁ〜!!すごいきれい!」
「結衣、今日何回【うわぁ〜】って言った?」
「わかりません!多分50回くらいかな?」
「言い過ぎ!」
「あはは!すみません!」
『またあの笑顔・・・・。』
観覧車はちょうど一番高い位置、そしていいムード・・・。
「結衣・・・」
「はい?・・んっ」
ちゅっと軽くふれるだけのキス。ディープキスでもなく、Hなことでもなく、軽くふれるだけのキス。
これにどんな意味があったのだろう・・・。
翌日、学校―――――
良平は亜希をさらった犯人に心当たりがある。そしてそいつは昨日学校を休んでいた。
「今日こそは!!」
ガラガラ・・・
『いた・・・』
「早坂・・・ちょっといいか?」
出来ることならここで怒鳴りつけたい。が、そんな喧嘩沙汰を起こせば、今後翔太に近付けなくなるだろうと考えた良平は、必死で気持ちを抑えて冷静に翔太を屋上に呼び出した。
屋上―――――
「亜希が病院から居なくなった。お前、なにか知らないか?」
「亜希が??!・・・知らないな。」
「嘘だろ?ふざけんなよ!そんなことしたって亜希が手にはいるとでも思ってんのか?!」
思わずカッとなり、翔太の胸ぐらに掴みかかる。
「ちょっと!!なにやってんの?」
そこへ良平と翔太が2人で屋上に向かったと聞いた奈歩が慌ててやってきた。