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【教師 官能小説】

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恋する放課後-5

俺が笑う様子をしばし眺めていた雅は、やがてその瞳を三日月みたく細めて白い歯を見せた。


尖った八重歯がキラリと光る。


「やっと風吹くんが笑ってくれた」


「え?」


「あたしね、クラスの皆と一通りコミュニケーションをとったつもりでも、風吹くんだけは馴染んでくれなかったから、嫌われているのかなあってずっと思ってたんだ。

最初はこういう子なんだろうなって思ってたんだけど、桝谷くんとは普通に笑ってるし、あたしが授業してるときなんかは怖い顔して睨んでるじゃない? だからこうして普通に話をしてくれたことがすっごく嬉しいの」


そう言って微笑む雅は、無論教師としての発言だったんだろうが、俺を勘違いさせるには充分過ぎるほどの破壊力を持っていた。


ますます心臓の鼓動は早くなり、汗ばむ手のひら。でも、俺のことを気にかけてくれていた、それだけで舞い上がるほどの幸せが込み上げてきた。


だからといって、こんな挙動不振を隠すために素っ気ないままでいたら、せっかく彼女と話をするチャンスを棒に振ってしまう。


俺は自らを戒めるように、ゴホンと咳払いをしてから雅に笑いかけた。


「怖い顔とか睨んでるって、ひでえ。これは生まれつきだからどうしようもないのに。先生、俺傷ついたわ」


「え? ご、ごめんね! そんなつもりで言ったわけじゃないの」


焦るその様子に反比例するように、少しずつ自分のペースを取り戻していく。


「じゃあさ、お詫びとしてこれ運ぶの手伝って」


そう言って俺は問題集の三分の一程の束を彼女に渡した。


「ちゃっかりしてる」


「よく言われます」


兄貴目当ての女とヤるときに、相手からよく言われた台詞だな、なんてどうでもいいことを思い出したけど、雅の少し呆れたような笑顔に、それらはすっかり霞んでしまった。








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