解放-4
「だったら尚更、絶対行くっ」
カリーが怪我してるなら絶対譲れない、とポロはゼインを見つめる目を細めた。
「……連れてってくれないなら……カリーに話す」
何をだ、とゼインはポロを見て片眉を上げた。
「ゼインに犯されたって……酔ったゼインに無理矢理……やめてって泣いて頼んだのに止めてくれなくて……私の小さい秘裂に極太……」
「わぁーーーかった!連れてく!連れてくから!!」
ゼインは赤くなって大慌てでポロの口を塞ぐ。
ポロの口から卑猥な言葉は聞きたくない。
嘘じゃない?とポロはゼインをじっと見た。
「お願いします。ついてきて下さい」
ゼインは嫌な汗を流しつつポロにコクコク頷く。
(ポロ……怖ぇ……)
今まで喋れなかった分、言葉の有効的な使い方を研究していたのか……逆らうと言葉責めされそうだ。
「じゃ、俺も」
「なんでそうなる?!」
ケイの言葉にゼインは八つ当たり気味に突っかかる。
「ポロの護衛?それに、南の大陸行くなら船が居るだろ?任せとけよ。半日で連れてってやる」
そんなワケでケイの準備したボロ船をクインが引く、という方法になったのだ。
南の大陸、ファンに一番近い国であるカイザスの港に着くと、兵士が桟橋で大きく手を振っていた。
「ケ〜イ!久しぶり!」
「ピート!」
兵士は親しげにケイに声をかけ、小舟を着ける場所に案内してくれた。
「相変わらず目が良いなあ」
小舟を接岸させたケイはロープをピートに投げる。
「だから沿岸警備なんだよ。クインが引いてくる船なんてケイしかあり得ないしな」
ロープを受け取ったピートは、それを柵にぐるぐる巻いてしっかり結んだ。
「ようこそ、カイザスへ」
「あ、ありがとう」
ピートはにっこりとポロに手を差し出し、ポロは一度躊躇ってからその手をとる。
「きゃっ」
そのままクイッと引かれてポロは桟橋に立った。
男3人は自力で桟橋にあがり、その内2人はぐったりと寝そべったままだ。
「俺……陸が大好きだ……」
「揺れない地面、最高……」
まだ身体が揺れてる気がする2人は、スリスリと桟橋の床板に頬擦りするのだった。
船酔い2人の為に宿屋で休憩をとっている間、元気なケイとポロの2人でビアズリーに行く準備をする。
何故かカイザスの兵士と仲が良いケイが、タダで馬を2頭借りてきた。