解放-16
「イッちゃえイッちゃえ。抱いててやるから」
この薬もザルスの樹液と同じで、とにかく吐き出すに限る。
ゼインはカリーの秘部に触れて濡れ具合を確かめ、後1回か2回かな?と検討をつけた。
「んっんあぁっぐうう〜〜〜っ」
カリーはゼインの服を噛んで身体を痙攣させる。
ゼインの毛だらけの腕が背中を擦り、なんだかくすぐったくて気持ち良い。
「う゛ーー…っはあっ……はぁ…はぁ…はぁ…あ〜…キツ……」
キツいのは変わらないのだが、ゼインに抱かれているだけで安心感があり、精神的に気持ち良い。
「……っと、ゆっくりもしてらんねぇんだよな」
ゼインは落ち着いたカリーの背中をポンポン叩いてから身体を離す。
「ん……穴から出るの?」
カリーはゼインが出てきた穴を見て顔をしかめた。
中々大変な道のりになりそうで、この満身創痍の身体で出来るかどうか疑問だ。
「ぶわぁか。んな所、普通の人間が通ったら窒息するわ。それに、掻き出した土で埋まってるっつうの」
じゃあ、何でゼインは窒息せずにここまで来れたのかと聞きたかったが、今は横に置いておく。
「んじゃ、どうやって逃げるのよぅ」
「へっへぇ〜言ったろ?『拐う』ってな♪」
「へ?」
ゼインのニタラ〜と笑った顔に、カリーは寒気を感じるのだった。
ギャキンッ
スランは飛んできたダガーをショートソードで下から弾き、弾かれたダガーを手に取って背後に迫った相手に投げる。
「ぐあっ」
相手は太股にダガーを受け、呻き声をあげてうずくまった。
続けざまに飛んできたダガーは素早いフットワークで避ける。
直ぐに斬りかかってきたメンバーの肩に手を着いたスランは、そこを土台にして飛び上がった。
そのままメンバーの頭上をくるりと回って背後の相手を蹴り倒して着地。
ショートソードの柄で飛び越えた相手の首の後ろを打つと、メンバーはドッと崩れ落ちた。
「3人っと」
スランは壁を背にして息を整える。
汗が顎を伝うのを鬱陶しそうに手で拭うスランを、頭領は腕を組んだまま見ていた。
(……妙だな……)
ここから逃げ出すならメンバーを殺せばいいのにスランは誰1人殺していない。
『ログの黒い鷹』の仕事とは思えない。
(……他の狙いがあるのか……?!)
スランが囮だとしたら?……という考えが頭領の頭を掠めた時。