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甘い時間
【熟女/人妻 官能小説】

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甘い時間-4

「じゃあね」
軽く手を挙げ、あの人は光の中を颯爽と歩いていく。
パークハイアットから新宿の雑踏へ出ていくあなた。
その後ろ姿を衝動的に抱きしめたくなるオレ。
あなたがシャネルのジャケットをだらしなく着崩した感じがまたいい。
こーゆーのが大人の余裕ってやつなのかも。
オレが着ている、軍物ジャケットと履き古したジーンズがオレをガキだと嘲笑う。
あなたは「凄く似合ってて、素敵よ」と言ってくれるが……。
大人になりたい。あなたに釣り合う大人の男にはやくなりたい。
気ばかり焦らせながら、オレはマクドの脂の塊のハンバーガーを頬張る。隣の席の女子高生がオレらのバンドの表紙の雑誌を見ながら、オレをチラ見してくる。
マジ、うざい。
お前らがいるから、あの人と街を歩けねーんだよ。
指に残ったあの人の匂いを愛おしみながら、やり場のない理不尽な怒りだけが心に溢れてくる。
溜息を吐き、マクドの中を流れ始めたオレらの曲から逃げるように、バーガーを口に押し込んで、マクドから出る。
オレは新宿の雑踏にあなたの面影を求め、行き場のない想いを抱いたままさまよった。



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