第5話 さらなる陵辱-4
「ほらっ、グズグズしてねえで、こっち来いよ」
言うと、馬淵は、紗希の腰に回した腕の力を強める。
男に抱き寄せられた新妻は、観念したように俯き、リビングの中へと入って行った。
「アイツには高い金払ったんだから、しっかりと元は取らせてもらうよ」
馬淵の手が紗希の腰から尻を撫で回し始めた。
「へへへっ、この感触、堪んねえな。ムッチリとしていながらこの弾力。スケベな身体しやがって」
「い、いやっ……」
今日限りの我慢と、いくら納得しようとしても、新妻にとっては気持ち悪いことこの上なかった。
「ふぅ〜はぁ〜……奥さ〜ん、キスさせろよ。ほらっ、こっち向け!」
顎を掴まれ、無理やりに顔を上げさせられてしまう。
思わず開いた目に、欲情した馬面が飛び込んできた。
「んんっ……!んぷっ……んぷっ!」
分厚い唇が新妻の口を塞いでしまう。
荒い鼻息が顔に吹きかかり、嫌悪感が高まる。
拒絶の意思の現れのように、紗希の全身は強張っていた。
しかし、馬淵は構うことなく、舌をねじ込んでくる。
新妻の口の中で、生暖かい舌が軟体動物のようにくねり出した。
固く閉じられた紗希の両目の間の皺が深くなる。
紗希はただ、されるままに馬淵に向けて顔を上げ、それを受け入れていた。
その姿は、浮気相手と抱き合い、キスを交わしている、新妻の不倫現場のようにも見えた。
下種な男と清楚な新妻、誰が見ても不釣合いな二人であったが……。