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隣人は何を思う
【ホラー その他小説】

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お父さん-1

暖かい背中に揺らされている。
お父さんの背中を思い出す。


私がまだ幼い頃、お父さんは私をよくおんぶしてくれた。
眠くて愚図る私を。
我が儘を言って泣きじゃくる私を。
お父さんの背中は広くて暖かくて、私はすぐ眠りに落ちてしまう。
途中までお喋りするのだけれど私はすぐに眠ってしまうから、お父さんはつまらなかったかもしれない。
お父さんはもうおんぶしてくれなくなった。
私が小学校5年生の頃、病気を患いそのまま逝ってしまったから。



暖かい背中に揺らされている。
お父さんの背中を思い出す。
額からは温かく色の付いた水が流れ、顔を濡らす。
ズキズキと頭に鈍い痛みが走る。

誰だっけ?この人。
何してたんだっけ?私。
どこに向かってるの?
ねぇ、お父さん…。

ユラユラ揺れて


お父さん…






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