野外H-18
「明日はもう帰るだけだから、朝まで飲もう!」なんて盛り上がって、みんなの付合ったなれそめとか、自分のパートナーのどこに惚れているのかなんて告白タイムがあったりして、盛り上がりました。
三組のカップルの中で、私たちだけが同棲していて、一番付き合いも長いという事が分かりました。
女の子の一人が、私に向かって聞きました。
「結婚しないんですか?」
唐突に聞かれて私、ビックリして、なんて答えていいのか分かりませんでした。
凄く真っ赤になっちゃったみたいで、もう一人の女の子が、「わぁ、凄く赤くなってる! 可愛い!」だって!
もう、みんな飲み過ぎです!
私、「これはお酒のせいですよ!」って言ったんだけれど、みんなワイワイ囃し立てて、私をからかうんです。
そうしたら、彼が、突然言ったんです!
「結婚するつもりだよ!」
いままで、騒がしかったのが一瞬にして静かになりました。
私、「えっ?!」って言って、彼の顔を見たら、彼が私の目をまっすぐに見て、そしてニッコリ笑ってくれました。
それを見て、女の子たちが、
「わぁ! ラブラブ!!!」
「すっご〜い、もしかしてプロポーズ?!」
とか言い出して、みんな、さっき以上に騒ぎ出したんです。
私の顔、間違いなく真っ赤を通り越しちゃったと思います。
私、その場にいられなくなって、「トイレ行って来ます!」って、部屋を逃げ出しました。
本当にトイレに行って、鏡を見たら、驚くほど赤い顔をしていて、冷たい水で顔を洗いました。
そして、鏡の前で、さっき彼が言った言葉を思い出していました。
確かに、私だって女だし、彼との結婚の事は考えていて、うちの両親も彼のご両親も「公認」の仲だし、「いつかは結婚するんだろう」なんて考えていたけれど、彼の口からハッキリ「結婚」という単語が出た事は無かったんです。
それぞれの親から「早く結婚しろ」って、お互い言われていたけれど、私たちの間では、何となく、口に出してその話題をする事はありませんでした。
今は、結婚していなくても、十分幸せだし、彼はテキトーに浮気してるし、私も彼公認だけれど、裕美といつもHな事してるし、彼が連れて来る後輩なんかともしちゃっているし、そんな毎日だから、「結婚」っていうのとはちょっと違う毎日のような気もしています。
だから「いつかは結婚」するけれど、「今じゃない」って、「なんとなく」思っていました。
まあ、お気楽なB型同士なので、「結婚」しても変わらないのかも知れませんが(笑)。
そんなんで、しばらくトイレにいて、少しだけ気持ちが落ち着いて来たので、廊下に出たら彼が待っていました。
ちょっとビックリしたけれど、いてくれるような予感もしてました。