ミスター・イケメン-5
「本当なのか?それは本当なのか?」
聞いてくる十和君がちょっと怖くて、黙り込んで首を縦に振る。でも、その一方何だかかっこよくてドキドキする自分がいる。
「今日杉田さんを呼出したのは他の何でもない。俺の気持ちを伝えるためなんだ。」
「気持ち…?」
「俺は杉田さんが好きだ。」
一瞬耳を疑った。あの彼が私にそんな気が…。
「その、嬉しいな。俺達両想いなんだよな。まさか夢じゃないよな?」
「…私も夢じゃないかって不安だよ。だけど、十和君も私を…嬉しい。」
「その、何だ。ありがとう俺なんか好きになってくれて。」
「えっ、それは私の台詞だよ。こんな釣り合いもしないような低レベルの女なんかで…。」
何だかきりがなくてつい笑い合っていた。
「どうして姉貴が君の気持ちを?」
「お兄ちゃんが聖先輩にもらしちゃったみたいなの。だから、もしかしたら聖先輩言ったかなぁって。」
「そうか。姉貴はね…、周りのことには本当無関心なんだ。きっと忘れてるんじゃないかな。」
「そうなんだ。弟のことなのにね。」
何だか今まで抱えてた不安や負担が抜けてったみたい。ホッとし過ぎてつい笑みがこぼれる。
「俺が杉田さんのこと好きになったのは夏休み前くらいかな。」
「そんなに前から!?」
「情報通で勘違いされやすいけど、実は誰にだって優しくしている。いくら変な誤解をなすりつけられても、顔は怒っていたとしても嫌みだけは言わない。俺なんかとは違って誰にだって不愉快な思いをさせないよう心がけている。…そんな君を見ていたら、いつの間にか恋におちていた。」
「………///」
きゃ〜っ!恥ずかしいっ///十和君ったら、そこまで言ったら私暴走しちゃうんだから(笑)。
十和君そんなに私のこと見てくれていたんだ。私達お互い片想いだと思い込んでて、だけど実は愛し合って…ひゃあ〜〜〜っ!私ったら何て幸せ者なのっ///
だけど、一つ疑問があった。そんな彼が何故そうまでして嫌われるのか。納得いかない。きっと聞いたとしても納得いかないかも。
「十和君。教えて欲しいことがあるの。」
「何?」
「どうして皆十和君のこと毛嫌いするの?納得いかないよ。十和君を苦しめる原因が知りたいよ。」
「しかし…。」
「どんな理由でも受け入れるよ!私はありのままの十和君にフォーリンラブなの。」
「…わかった。信用するよ、杉田さん。」
十和君は緊張し過ぎってくらいに構えている。そして、私は一体何が口に出されるのかちょっと怖い。
彼の唇は再び開いて…。
「新谷先輩ってご存知かな?」
「へ?あのグロいものには目がないとかいう、特に女の子から嫌われ者の?」
「そう。俺にしてみれば先輩はある種の友人だが…。」
「そういえば…。お兄ちゃんから聞いたんだけど聖先輩ってグロい物が大好きで、気が合っちゃってだから余計嫌われ…。」
私はそこでハッとした。まさかと思う事実。