親友への謝罪・・・・・・-4
「本当に綺麗だ・・・・・・」
年上女の頬に手を寄せると、まるで確かめる様に俺は親指で撫でた
そのまま年上女の顔を伺えば、綺麗な顔立ちに改めて見惚れていた。
ただ、綺麗な顔を取り巻くシワやほうれい線などは、年増を感じさせる程に深く刻まれていた
明らかに俺とは、歳が離れていた。
回りから見れば、親子と見間違われる程だ。
それでも学校では、毎日の様に年上女の顔は見ていた。
「どうしたの?・・・ずっと私の顔を見て・・・もしかして・・・嘘ついていたからキスできないの?・・・・・・」
「まさか・・・間近で見ていたら、思わず見惚れてたんだよ・・・本当に綺麗だから・・・つい・・・・・・」
「またお世辞?・・・もう・・・お世辞は聞き飽きたから早くしてよ」
年上女に促されるまま、口づけを交わそうと俺は顔を近づけた。
ただ、年上女の顔を見ながら唇が触れる程になると、どうしても思い浮かぶのは希一の顔だった。
俺が4回目の火蓋を落とす口づけを交す頃には、希一は俺の行為を想像をしながらオナニーをしてる最中だろう。
再び強烈な罪悪感が俺を襲い、ただ心の中で希一に謝るしかなかった。
『すまん希一・・・すまん希一・・・・・・・』
・・・・・・すまん希一・・・・・・・お前の母さんと・・・・・・・
年上女の名は、工藤順子・・・・・・希一の母親だった。
顔は瓜二つで、希一にも良く似ていた。
出会ったきっかけは、入学式の帰り道。
式に参加していた希一の母親は、息子を車に乗せて帰ろうとその姿を目撃した。
グレーの光沢のあるセミフォーマルに包まれた希一の母親の姿は、近寄りがたくも美しい気品に満ち溢れていた。
俺はすぐに虜になり、隣の席が息子の希一と分かると、すぐに親しくなろうと近づいた。
二人を中心に友人が増えると、みんなで希一の家に遊びに行くように仕向けた。
部屋で遊んでいれば、お菓子を運んでくる希一の母親を、俺はいつも視姦していた。
家に帰ると、希一の母親を思いながらオナニーにも更けていた。
毎日を一緒に過ごす、親友の希一にさえも嫉妬していた。
それでも、これ以上は叶わぬ夢と思い、オナペットに徹する事を誓った。
しばらくは、希一の家も尋ねる事無くオナニー三昧の日々が続いた。
だが、夏休みに高校生も参加する、町の盆踊り大会でチャンスは訪れた。
高校生の催しで、クラス対抗のダンス大会が行われていた。
俺達のクラスの催しは、日本舞踊を融合したダンスだった。
上半身裸の男子にサラシ姿の女子と、粋な出で立ちでもあった。
バスケで鍛えた俺の身体は、クラスの女子をも魅了する程だった。
その自信から、本番でも目立つようにと、俺はステージの前の方で踊っていた。
すると、最前列で見ている希一の母親にすぐ気付いた。
ただ隣には、寄り添うように旦那も居た。
嫉妬に駆られた俺は、旦那から奪うかのように、魅了する程に激しく踊って見せた。
その甲斐あってか、希一の母親は家族に焼き鳥を買おうと、俺の居る屋台に一人で現れ声を掛けてきた。
ダンスの話題で盛り上がると、屋台の隅で話しこんだ。
回りにしてみれば、息子の友達と話しこむ母親と思えば、自然に見えていた。
ただ、何気なしに交したアドレス交換だけは、のちに危険な恋へと変わった。
あれは、夏休みの部活動の時だった。
帰り支度をしていた俺の携帯に、希一の母親からメールが届いていた。
内容は、たまたま近くを通り掛かったから、一緒に車で帰らないかと誘われた。
希一の母親に好意を抱いていた俺としては、何かのチャンスと思い車に乗せてもらう事に決めた。
待ち合わせ場所に向かい希一の母親の車に乗ると、ついでにドライブと称して海岸線を走らせていた。
車中では、買い物帰りの希一の母親の綺麗な装いに、俺は胸を高鳴らせていた。
しばらくすると、道路沿いの雑木林に囲まれた一軒のモーテルが見えてきた。
「社会見学して行く?・・・・・・」
窓越しから指を差して、悪びれる様子も見せずに、希一の母親は誘ってきた。
俺は戸惑いを見せたが、有無も聞かず希一の母親はウィンカーを切った。
「どうしたの?・・・もしかして緊張してるの?」
部屋に入ると、ソファーで隣り合わせに座り、希一の母親は話し掛けてきた。
「大丈夫よ・・・ただの社会見学・・・それとも・・・社会勉強もしたいの?」
高校生の俺をたぶらかすかの様に、希一の母親の言葉は男女を意識していた。
突然の事に、俺は顔を真っ赤にしながらただ俯くしかなかった。
「ねえ・・・ダンスの時に見せた身体凄かったじゃない・・・もう一度私に見せてくれる?」
希一の母親は問い掛けたが、俺の答えを待たずに、地肌に着た開襟Yシャツのボタンに手を掛けていた。