初体験1-3
裕美、少し時間を置いて、言いました。
「先輩の初Hの相手、もしいないんだったらY先生が良いと思うんだ!」
「?」
「けっこう優しいし、処女が好きみたいだし、一応先生だからその後しつこくしないだろうし・・・。」
裕美、冗談で言ってる感じじゃありませんでした。
真剣に悩んでる私に、一緒に悩んでくれてる感じ。
でも、だからってすぐに「それいいね! そうしましょ!」って、なるわけない!!!(笑)
好きな人とロマンチックな初体験を夢みていた部分もあるけれど、好きな人がいなかったからそれは当分アリエナイ!
そんな、可能性の低い将来を待っていられる状態じゃなかったのも、事実(笑)。
でも、「Y先生ね〜〜〜〜。」って感じでした。
「大丈夫、大丈夫。
ものは試しで、やってみて、嫌だと思ったら途中でやめちゃえば良いんだし、ダンドリは私がしますから、安心して下さい。」
って、もう裕美はその気になっちゃってました。
「ものは試し」って何! ?
私「考えとく・・・。」って言ってその場は終わったんだけれど、裕美はすっきりした顔で、「演出方法」を考えているみたいでした。
それから、一週間ほどはその話題になりませんでした。
ある日、裕美から言われました。
「先輩、明日時間作って下さい。」
ほとんど毎日、裕美と一緒にいたので、今更って感じでした。
同時に「来た!」って思いました。
翌日は、祝日でした。
「良いけど・・・。」
「じゃあ、明日一時に赤坂で待ち合わせましょ!」
「赤坂?!」
赤坂っていう地名はもちろん知ってるけれど、行った事はありません。
千代田線で原宿とかに行く時に通り過ぎるだけの場所、って感じ。
「赤坂の7番出口で地上に上がった所で待ち合わせね。」
「なんで赤坂?!」
「いいから、いいから、とにかく来て下さいね。あっ、それから、来る時はなるべくおとなしいカッコで来て下さい。」
「おとなしいカッコ?」
「そう、あんまり派手なカッコは避けて下さいね。」
「裕美に言われたくないし(笑)。」
「まあ、いいや。とにかく明日待ってます! じゃあね〜!」