THANK YOU!!-5
この後に何をされるかは今までの経験上、よく分かっている。
もちろん、素直に受け入れられるし、すごく嬉しいことには変わりはないのだがどうしても恥ずかしさが拭い切れない。
拒否はしたくないが、どうしても小さい抵抗をする。まあ、男女の力の差が歴然で、すぐに抑え込まれてしまうのだけれども。
「た、たく・・!!」
「いーじゃん、このまま・・」
「す、ストップっ・・!!」
さらにとろけそうな声で囁いて近づいてくる拓斗の顔を思わず両手で止めた瑞稀。
ポカンとしている拓斗の腕から見事脱出し、慌てて立ち上がる。
「と、トリュフっ!たぶんもう食べれるから!!」
「おい、瑞稀!?」
顔を真っ赤にして、拓斗の返事も聞かずにキッチンに戻る。
拓斗は思わず、プッと笑ってしまった。
いつまで経っても変わらない、瑞稀の初々しい態度に拓斗はつい顔を緩めてしまう。
出会った時から変わることがない。
その嬉しさが身体を動かすままに、キッチンでトリュフのデコレーションをしている瑞稀に腕を回す。顔を横に向けると先ほどと同じように赤くなっている顔。
何度も手放しかけた、瑞稀の温もり。
もう二度と離すことはしないともう一度心深くに誓う。
甘く蕩けるような日に、永遠の証をつけた最愛の人の手に自分の手を重ねて。
出会ったあの時と同じ桜が咲き誇る季節に、指輪の誓いが交わされることを願って・・。
END
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あとがき
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バレンタインにあわせて作ってみました!
・・が、順番を間違えてしまったことに後から気づきました。
続編を投稿してからの方がすごく良いんですけど・・・せっかく作ってしまったので、投稿しようと。
で、それからすぐに続編を投稿しようと改めました。
また少しお待たせするかもしれませんがよろしくお願いします!