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Twin's Story 11 "Sweet Chocolate Time"(final episode)
【近親相姦 官能小説】

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穏やかな休日-4

 「大学二年生の時。二つ上の先輩。」ミカは新しくカップに注がれたコーヒーを一口飲んでから話しはじめた。
 「また年上かよ。」
 「しょうがないじゃん。成り行きでそうなったんだよ。」
 「二つ上じゃ、俺の知らない先輩だな。」
 「そうだね。そいつはあたしの身体目当てだった。完全に。」
 「『そいつ』呼ばわりかー。」ケネスが笑った。
 「会う度に『抱かせろオーラ』を発してた。あたしも結構その頃突っ走ってたからね。受けて立ってやる、ってノリで挑んでやった。」
 「さっきの切ない話とは正反対やな。」
 「ま、水泳サークルだからしかたないけど、すっごくガタイのいい先輩でさ、もう野獣系。」
 「野獣系?」
 「そ。ケネスも野獣系だけど、ケネスはまだずっと紳士的。あいつは根っからの野獣系、っつーか、野獣そのものだったね。」
 「激しいんだ。」マユミが言った。
 「激しいどころか乱暴。もう、触り方も無骨だし、キスも野蛮だし、繋がった後も大声で吠えながらガンガン突いてくるし、もういい加減にしろよ、って感じだった。それも毎回パターンが同じ。あいつは人間じゃなくてオス。何かの動物のオスだった。」
 「ミカ姉は満足してたんか?そんなセックスに。」
 「ヤツのペースに合わせてた。身体は感じてたかも。でも終わった後はいつも痛かった。」
 「ついに『ヤツ』呼ばわりか。」ケンジは苦笑いをして、デキャンタからコーヒーをつぎ足した。
 「結局あたしが飽きて、振ってやった。」ミカは笑った。「ヤツは懲りずにすぐ別の女作ってやりまくってたみたい。」
 「そんな先輩だったんだ。」マユミが言った。
 「だからさ、あたし、ケンジと出会った時、ものすごく新鮮だったし、いっぺんに恋に落ちたんだよ。知ってたか?ケンジっ!」ミカはいきなり立ち上がりケンジの襟を掴んだ。「そ、それなのにおまえは、実の妹といちゃいちゃしやがって!屈託ない笑顔であたしに紹介するわ、アパートではぎしぎし言わせて上の部屋でセックスするわ!見せつけてたのか!あたしにっ!このやろっ!」ミカの嫉妬と怒りの記憶が連鎖反応を引き起こし、制御棒を失った原子炉のように臨界点が目前に迫った。ミカはケンジの襟を掴んだまま身体を激しく揺さぶり、右手で彼の左頬をぺちぺちと叩き始めた。
 「ミ、ミカ、く、くっ、苦しいっ!」ケンジは恐怖に顔を引きつらせた。
 「ちょ、ちょっと、ミカ姉、落ち着きや。」ケネスがミカをケンジからひっぺがした。
 はーっ、はーっ、はーっ・・・・ミカは息を整え直して座った。
 「そんなにケンジのこと、気にしてたんかー。ミカ姉可愛いとこあるやん。」
 「まったく・・・思い出す度むかむかするっ!」
 ケンジは襟を整え直して、ひとつ咳払いをした。そしてちらりとマユミを見た。
 「ご、ごめんなさいね、ミカ姉さん。」マユミが申し訳なさそうに言った。
 「こっちこそごめん。大人げなかった。」ミカも咳払いをして座り直した。「でもさ、ケンジがマユミとの仲を精算しようとしてた時は、さすがに哀れだったね。」
 「ミカはずっと俺を慰めてくれたんだ。本気で心配してさ。」ケンジが言った。
 「下心満載だったけどね。」
 「いや、そんなこと言ってるけど、ミカはきっと誰にでもそうしてたよ。俺たち同期の間では、唯一、信頼の置ける、頼りがいのある先輩だったからな、兵藤ミカ先輩は。」
 「そうやろな。それがミカ姉の最大の魅力っちゅうもんや。」
 「悪いコトしたね、あたしたち・・・」マユミが言った。
 「マユミもケンジも悪くないよ。っつーか、誰も悪くない。あたしが一人で悶々としてただけ。だからケンジに酔ってぶっかけられても幸せだった。やったぜ、って思ったぐらいだからね。」
 「ごめんなさい、ごめんなさい!お許し下さい!」ケンジはまたミカにぺこぺこと頭を下げた。
 「結局ケンジはそれ以来、二十歳の誕生日まで酒は飲まなかったよね。」
 「え?そうなの?」
 「懲りた、というか、トラウマになったんだ、きっと。ミカにあんなひどいことしたからな。」
 ミカはいらいらして言った。「だから、ひどいことじゃないって。あたし嬉しかった、ってさっきから言ってるだろ。実際、あたし、あの夜ケンジと繋がった時、生まれて初めてセックスを心から気持ちいいって思えたんだ。」
 「で、でも、考えても見ろよ、つき合ってもいない、それもいつも世話になってる親切な先輩をベッドに引きずり込んで、服を脱がせてセックスして、最後は身体中に大量にぶっかけちまったんだぞ、ほとんどレイプじゃないか。」ケンジは赤くなって言った。
 「ケンジはね、二十歳の誕生日にあたしが勧めて、やっとビールを一缶飲んだんだ。あたしを悲しい顔して見つめながらね。あっはっは。」ミカは笑ってまたコーヒーをすすった。「そこからあたしとケンジの交際が始まったってわけよ。」
 「そうやったんかー。」


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