ケネスの過去-5
すでにジェニファーの谷間は潤っていた。
「あ、も、もうちょっと下だよ。」
「え?こ、このあたり?」
彼女に手助けしてもらいながら、ケネスは自分のペニスをその神秘の場所に挿入し始めた。そしてそれは思いの外あっけなくそこに入り込んだ。「んっ!」ジェニファーが小さく呻いた。
「あ、ああ、いいよ、気持ちいい、ケニー。そのまま動いて。」
「ジェ、ジェニファー。」ケネスは腰を前後に動かし始めた。自分の部屋で息をひそめて一人エッチをする時とは比べものにならないほどの気持ちよさだった。そして目の前に絶頂がやってきた。
「あ、ああ、ジェニファー、ぼ、僕もう・・・。」
「イくの?早いね。でもそんなもんか。いいよ、ケニー、イって。」
ケネスは激しく腰を動かし始めると、すぐに大きく喘ぎ始めた。「ああああ、イ、イく、イっちゃうっ!」
「ケニー、」ジェニファーは自分の乳房を両手で握りしめた。
「で、出るっ!」ぐうっ!という呻き声とともに、ケネスは登り詰め、勢いよく射精を始めた。
「ああああああーっ!」ケネスは顎を上げて叫ぶ。「ジェ、ジェニファーっ!」
「どう?気持ち良かったでしょ?」
「ジェ、ジェニファー、ぼ、僕・・・・・。」
「やっと願いがかなった。あたしずっとケニーとセックスしたかったんだ。」
「で、でも、ジェニファーはイけなかったでしょ?」
「初めてだもん。しょうがないよ。だんだん上手になるって。」ジェニファーは並んで横になったケネスの頭を撫でた。
その日からケネスはたびたび『ウォールナッツ』に通い、ジェニファーと繋がり合った。しかし、二人は恋人というわけではなかった。その時以外のつき合いはほとんどなかった。ただジェニファーのベッドで繋がり合い、気持ちよくなる瞬間を共にする、それだけの関係だった。
そんなある日、いつものようにケネスはココアパウダーとチョコレートを持って『ウォールナッツ』を訪ねた。品物を渡した時、店の奥で働いていたジェニファーの兄トニーがケネスに声を掛けた。
「ケニー、ちょっと上がっていかないか。」
「え?」
「おまえに話があるんだ。ちょっとだけ。」トニーは洗った手をタオルで拭きながら笑顔でそう言うと、身につけていたエプロンを外した。
「来いよ。」
トニーの部屋は一階の奥にあった。ジェニファーの部屋と違い、質素な感じだった。ミントの香りがした。
ケネスが部屋に入ったのを見届けたトニーは、笑いながら言った。「妹の身体、気持ちいいか?ケニー。」
「ええっ?!」
「時々あいつを抱きに来てるだろ、おまえ。」
「し、知ってたの?トニーさん。」
「あいつ狙ってたんだ、以前からおまえを。」
「ね、狙ってたって・・・。」
トニーはケネスに近づいた。そして静かに言った。
「俺も、おまえを狙ってた。」いきなりトニーの口がケネスの唇を押さえつけた。「んんんっ!」ケネスは目を見開いて呻いた。
ケネスの身体から熱いモノがこみ上げてきた。トニーの舌が唇を割って口の中に入り込んできた。ケネスは抵抗できなかった。いや、抵抗しなかった。ジェニファーとは違う温もりを、ジェニファーとは違う匂いを、ジェニファーとは違う肌の感触を、その時ケネスは味わっていた。
いつしかトニーとケネスは全裸になり、ベッドで抱き合っていた。無言のままトニーがケネスの乳首を舐め、首筋を舐め、手でペニスをさすり、背中に腕を回して抱きしめる度、ケネスの身体は熱くなっていった。自分が男性に身体を愛されて感じていることを、しかし不思議に拒絶していなかった。重なり合ったトニーとケネスは、お互いのペニスを擦りつけ合って、先にケネスが、そしてしばらくしてトニーが絶頂を迎えた。二人の腹部に大量の二人分の精液が放出され、ぬるぬるとお互いの腹が擦りつけ合わされた。
大きく息をしながら、上になったトニーは言った。「すまん、ケニー、オトコなんかに抱かれたくなかっただろ?でも俺、おまえを見てると我慢できない。我慢できなかったんだ・・・。」
「ト、トニーさん、僕、何だか・・・・・。」
ケネスはトニーの身体の温かさを感じながら、目を閉じて荒い息が収まるのを待った。