ケネスの過去-2
「それにしても、今日はいい天気だな。」ケンジがそう言って着ていたトレーナーを脱いだ。
「ほんとにね。まるで春の陽気ってとこだよ。」ミカもそう言って上着を脱ぎ、黒いノースリーブのシャツ一枚になった。
「この部屋、日当たりいいからね。」マユミが言った。「ぽかぽかして気持ちいいよね。」
「ひょっとしてミカ姉、ノーブラか?」ケネスが訊いた。
「OFFの時は時々ね。」
「ミカ姉のバスト、型崩れもせんと、若々しいな、相変わらず。」ケネスが言った。
「そう?」ミカがセクシーポーズをとってみせた。「マユミもだよね。」
「え?そんなことないよ。」マユミが胸を押さえて少し照れたように言った。
「それが真雪に遺伝して、龍はその虜になった。ってか。」ミカは笑った。
「ところでさ、」ケンジが身を乗り出した。「俺、いつか聞いてやろうと思ってたんだが、」そしてケネスを見た。
「な、なんやねん、ケンジ。わいのことか?」
「ああ。おまえさ、初体験って、いつで、相手は誰だったんだ?」
「おお!いいね。聞きたい、あたしも。マユミは知ってんの?」
「ううん。聞いたことない。」
「よし、初公開、ケニーの初体験物語。」
「そ、そんなこと今さらなんで話さなあかんねん。」
「何だよ。おまえ今まで俺たちをさんざんおちょくっておきながら、自分の恥ずかしい過去を封印し続ける気か?」
「わいがいつおまえらをおちょくったっちゅうねん。」
「いいから、話しなよ。もう30年以上も前の話だろ。何があったとしても時効だ時効。」
「しゃあないな・・・・。」
ケネスは語り始めた。