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Twin's Story 11 "Sweet Chocolate Time"(final episode)
【近親相姦 官能小説】

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披露宴-1

 2月14日はよく晴れた穏やかな日だった。『海棠スイミングスクール』の広いプール場は、たくさんの花やリボンで飾られ、実に華やかな雰囲気に包まれていた。そして、何とプールのど真ん中に特設ステージが設けられていた。そのステージの前と後ろにやはりたくさんの花で飾り付けが施された桟橋が架けられている。
 プールサイドにはピンクのクロスで覆われた十数脚の丸いテーブルが置かれ、招待客が華やかな正装でにこやかにそれを囲んでいる。その中にはケネス、マユミのシンプソン夫妻、ケンジ、ミカの海棠夫妻、春菜の両親やきょうだい、それに陽子も混じっていた。もちろんケンジとマユミの両親、アルバートとシヅ子の夫婦も穏やかな表情で座っている。
 スタート台後ろにはライトブルーのクロスが掛けられた長いテーブル。その上にはたくさんの料理。その背後にはウェイター姿をしたこのスクールの三人のインストラクターが姿勢良く立っている。場内には明るく穏やかなBGMが小さく流れていた。
 「えー、それではただいまより、」赤い燕尾服に白い蝶ネクタイをした司会の修平がマイクに向かってしゃべり始めた。「シンプソン健太郎くんと月影春菜嬢、並びに海棠龍くんとシンプソン真雪嬢のダブル結婚披露宴を開催いたしますっ!」
 盛大な拍手が巻き起こった。
 「申し遅れました。わたくしども、この宴の進行を担当致します友人代表天道修平と妻夏輝でごさいます。どうぞ最後までよろしくお付き合い下さいませ。」修平夫婦は深々と頭を下げた。
 「そして、会場内でお客様への様々な雑用、もといサービスを担当しますホールスタッフは、龍くんの中学時代からの親友、水泳仲間で現在このスイミングスクールのメインインストラクターでもあります山本たけし、川本ひろし、そして森本あつしでございます。」
 また盛大な拍手が巻き起こった。その三人のホールスタッフは並んでうやうやしく頭を下げた。
 「さて、」真っ赤なイブニングドレスの夏輝が修平に代わってマイクの前に立った。「この宴は二部構成にてお贈り致します。第一部は新郎と新婦が、これまでにお世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えて歩く『サンクス・タイム』いわゆる、『私たちがなんでもしますから、どうぞ何なりとお申し付け下さい』の時間、」
 修平が受け継いだ。「そして第二部は文字通り二組の新婚夫婦をご来場の皆さまに祝福していただく『ブレッシング・タイム』いわゆる『こんな私たちですが、どうぞ見て、いじって、からかって下さい』の時間です。」
 招待客が一様に怪訝な顔をした。
 「ともあれ、新郎、新婦の入場ですっ!皆さま拍手でお迎え下さい。」
 「あー、カメラをお持ちの方、足下にお気をつけください。なにしろステージはプールのど真ん中です。誤って水の中に落ちたらみっともないですよ。」
 ピンクの執事服の健太郎はピンクのメイド服の春菜の手を、ライトブルーの執事服の龍はやはり同じ色のメイド服を着た真雪の手をとり、ゆっくりと後ろの桟橋を通ってステージ上に立った。たくさんのカメラのフラッシュが焚かれた。
 「さて、結婚というものは、二人だけの努力で成されるモノではありません。」修平が言った。「まだ新婚二ヶ月の俺が言うのもなんですけど、今まで大切に育てて下さったご両親を始め、生まれてこれまで自分に関わりのある幾多の方々のお力がなければ実現できないものです。」
 夏輝が言った。「第一部の『サンクス・タイム』は、彼らが、ここにおいでの方々への感謝の気持ちをお伝えするべく、それぞれのテーブルを回り、その気持ちを伝えて歩きます。」
 「どうぞ、食べたい料理、飲みたいお飲み物などございましたら、遠慮なくやつら、もとい、彼らにお申し付け下さいませ。」
 それからしばらくの間、二組の新郎新婦は、招待客のテーブルを回り、かいがいしくもてなしをした。しばらくして健太郎が司会のマイクの近くに設けられた小さな二人用のテーブルにつかつかとやって来た。「おい、修平!」
 「お、ケンタ。おめれとう。」生ハムを口から半分出したまま修平が顔を上げた。
 「何が『おめれとう』だ。わざとらしい!それより、何なんだ、この衣装。」
 「似合ってるよ。」修平の横でビールを飲み干した夏輝が言った。「ついで、執事のケンちゃん。」
 健太郎は持っていたビールを夏輝のグラスに注ぎながら言った。「これのどこが結婚披露宴なんだよ!」
 「俺たちに文句言うなよ、ローストビーフ食いたいな。」
 「こっ、こいつっ!」健太郎はしぶしぶ料理の並べられたテーブルへ向かった。そして皿にローストビーフとミニトマトを山程盛って、修平の目の前に置いた。
 「感謝の気持ちを表すって大切だぞ、俺も学校で生徒たちに毎日のように言ってる。コトバや態度に出さなきゃ相手にはその気持ちが伝わらないってな。」
 「だ、だからってなんでこんな格好、」
 「ほら、見てみなよ。ケンちゃん。」夏輝が指さした。その先にはメイド服姿の春菜と真雪がこぼれんばかりの笑顔で客の接待を続けていた。
 「おまえも見習え、俺にもビール。」修平がグラスをテーブルに置いた。健太郎はいやいやながらそのグラスになみなみとビールを注いだ。
 「ほら、飲めよ、ケンタ。」修平はそのグラスを健太郎に持たせた。隣の夏輝が自分のグラスを持ち上げた。「乾杯!ケンちゃん。ホントにおめでとう!」
 「俺たち、心からおまえたちの結婚を喜んでる。」修平はにっこりと笑った。


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