夏輝の誕生日-4
「夏輝っ!」修平はシャワーを浴びていた夏輝の身体を後ろから抱きしめた。
「もう、修平ったら、我慢できないの?」夏輝は頭だけ振り向かせて言った。
「夏輝、夏輝っ!」修平は両手で濡れた夏輝の二つの乳房を包みこみ、乱暴に揉み始めた。「んんっ・・・。」夏輝が小さく呻いた。彼女は修平に背中を向けたまま、右手を修平の股間に伸ばし、太く大きくなった彼のペニスをぎゅっと強く握りしめた。「うっ!」修平が呻いた。
「まだだめ。」夏輝は小さく言った。「シャワーできれいにしてからじゃないと、あたし、あっ!」修平はその夏輝の手を無理矢理引き離すと、両手で彼女の腰を掴み、秘部にペニスを押し込んだ。「シャワーのあとでも、またしようぜ、夏輝。んっ、んっ、んっ!」修平は夏輝の背後に立ったまま、焦ったようにペニスを彼女の中に出し入れし始めた。
「あ、あああ・・・しゅ、修平!」夏輝はバスタブの縁に両手をかけ、前屈みになって修平の与える刺激を受け入れ始めた。
「ああ、夏輝、夏輝っ!」修平の腰の動きが激しさを増してきた。「お、おまえが好きだ!愛してるっ!」
「あ、あたしも、修平、修平っ!」
「ぐうう・・・。」修平の腰のあたりにしびれが走った。「で、出る、出るっ!夏輝ーっ!」
「ああああ!あたしも、イくっ!」夏輝の身体がぶるぶると激しく震えた。
「相変わらず無骨で乱暴。」大きなベッドに並んで横になった夏輝と修平は、全裸で抱き合い、お互いの目を見つめ合っていた。
「おまえ、好きだろ?そういうの。」
「好きかどうかは別として、あたし修平のやり方に、もう慣れた。」
「他のやり方でされたこと、あんのかよ。」修平が訊いた。
「あるわけないでしょ。なにムキになってんの?」
「おまえ、俺以外の男に抱かれたこと、ないんだろうな。」
「まったく、中学生みたいに嫉妬深いね、あんた。いつまでたっても。」
「どうなんだよ!」
「ある、って言ったら?」
「そいつをギタギタにしてやる。」
「例えば、その相手がケンちゃんだったら?」
「お、おまえケンタと寝たことあんのかよ!」修平が身を起こした。
「あるわけないでしょ。」
「ホントか?」
「たまには、あたしの言うことも一発で信じなよ。」夏輝は呆れて言った。「でもさ、ケンちゃんいいカラダしてるから、あたし、何度か抱かれたいな、って思ったこと、あるよ。高校ん時。」
「高校ん時い?!」修平は必要以上にびっくりして言った。
「何?何なの?その驚きよう・・・。」
「じゃ、じゃあ、おまえがもしその時あいつに抱いて欲しいって言ってたら、俺とおまえは今こうして抱き合っていることはなかった、ってことか!」
「な、なんでそうなるんだよ。」
「だって、ケンタ、おまえが好きだったんだぞ、あの頃。」
「それってさ、本当なの?春菜もあん時言ってたけど。」
「本当さ。『俺、夏輝にコクってもいいか』って電話で言ってた。」
「ホントに?」
「おまえが俺にコクった日の前の晩だった。」
「へえ。」夏輝は笑った。「何か運命的なものを感じるね。」
「運命的だあ?」
「ちょっとしたきっかけで、人生どうなるかわからない。」
「おまえ、俺とケンタ、どっちでも良かったのかよ。」
「そういう意味じゃないよ。それにもし、あたしがケンちゃんとつき合い始めたとしても、すぐに別れたと思うよ。」
「なんで?」
「あたし、ケンちゃんには合わない女だからね。」
「わかんねえだろ。つき合ってるうちに、お互いが必要不可欠になっていってたかも知れねえじゃねえか。」
「何よそれ、たった今、ケンちゃんにヤキモチやいてたくせに。」夏輝はまた呆れて言った。そしてすぐ優しい口調で続けた。「でも、よかった。あんたで。」
「どうしてだよ。」
「ケンちゃんとつき合って別れたら、その後が気まずいじゃん。前みたいに仲良しの友だちではいられなくなるよ。それはつらい。」
「確かに・・・。」
「ケンちゃんを恋人としては見られない。それは昔も今も同じ。」
「俺は?」
「修平は思いっきり恋人にしたい男。昔も今も、これからも。」
「そうか・・。」修平は再び夏輝の側に横になり、優しく背中に右腕を回した。
「やっと安心した?」
「おまえが隣にいると、俺、すっごく落ち着く。」
「落ち着いてたようには見えないけどね。」
「落ち着いてんだよ。」
「わかったわかった。」夏輝は微笑んだ。
「これからもずっと隣にいてくれっか?」
「いるよ。もちろん。」
「俺の戸籍の隣にも?」
「え?」夏輝ははっとして修平の目を見た。「そ、それって、どういう・・・・。」
修平は後ろ手に隠していたジュエリーケースを夏輝の目の前に差し出した。
「・・・結婚、しようぜ。」
夏輝は目を潤ませた。「修平・・・・。」
「修平っ!」夏輝はもう一度そう叫ぶと、彼の逞しい身体を力任せに抱きしめた。