続・天狗屋物語(前編)-10
…もう、三十年近く前になるかな…オレは、その頃、瀬戸内海の街でつまらないチンピラを
やっていた…
いろいろな悪さをしていたが、あるとき、毎朝、オレのアパートの前を自転車で通りすぎる
色白の女子高生に目をつけてな…オレはその頃、三十歳そこそこだったが、その女子高生を
ひどく気に入ってしまったというわけさ…それが、燿華というか「谷 舞子」だった…初々
しくて大人びた感じの清楚な女高生だったな…
一目惚れの恋だって…女高生に惚れるほど、柔なオレじゃないぜ…オレは彼女をどうしよう
としたと思う…強姦さ…彼女って、あの頃からいいからだをしていたものだぜ…
少し手荒だったが、夜道で待ち伏せし、倉庫に連れ込んだね…あのときの彼女の真っ白なブラ
ジャーから漏れたオッパイとスカートからむき出しになったムチムチした太腿…それに、真っ
白なパンツを剥いだ瞬間に見えた、うっすらと生えたあそこのウブ毛がたまらなかったね…
それで、強姦はうまくいったのかって…まあ、聞いてくれ…ところが、強姦寸前になって、
オレは彼女のあそこに見とれて、つい油断してしまった…ズボンを膝まで下げて、露わにした
オレのキンタマを、あの女に思いっきり足蹴りされたんだ…オレは、なさけないことに股間の
あそこをかかえて蹲った瞬間に、彼女に逃げられたというわけさ…あの女って、たいしたタマ
だぜ…と、堀田は妙に真面目な顔をして言った。
まったく、マヌケな野郎だぜ…キンタマ蹴られた女に感心してどうするのよ…
「谷 舞子」を堀田が強姦未遂か…まだ、その頃は女高生といいながらも羨ましささえ感じる
が、デブの堀田の巨根で強姦されようとする「谷 舞子」の初々しい太腿のあいだの割れ目を
想像し、オレのものは、早くもビクビクと堅くなり始めていた。
その後、堀田は東京のSMクラブで、燿華という名前でS嬢をしている女が「谷 舞子」であ
ることを知り、ふたたび手込めにしようと思ったらしいが、すでに燿華がクラブをやめたあと
だったらしい。
しばらく、堀田のつまらない話を思いだしながら、ぼんやりとビールを口にしていると、ハル
ミおばさんが珍しく高級ウイスキーなんて手にしてオレの部屋に入ってくる。
ヨシエの緊縛写真をネタに、彼女を強請って手に入れたお金で買ってきたウイスキーらしい。
当分のあいだ酒代の心配は要らないようだが、あまりやりすぎて刑務所戻りとなるのはごめん
だ。
ヨシエは、あのあとハルミおばさんの執拗な舌と指責めのレズプレイだけで、三回も絶頂に達
したようだった。珍しく泣きべそをかき、狂うように悶えまくっていた。
おばさんは、ヨシエとのレズの相性が良くてこれからが楽しみだなんて、変に上機嫌だ。
ヨシエ相手の縛りも飽きたし、しばらくこのハルミおばさんが、ヨシエをレズ相手にしてくれ
ると助かるものだぜ…。
野良猫が店の外で、眠そうな鳴き声をあげる。
ウイスキーグラスを手にしたハルミおばさんが、何気なくテーブルの片隅に置いた古雑誌の燿
華の写真を手に取る。
「そう言えば、この燿華とジイヤのことで、面白いことをおしえてあげようか…」と、酔って
目の据わったハルミおばさんがオレの耳元で囁く…。
…えっ…ほんとうかよ…