第2話 新妻の性癖-3
風邪をひいたわけではなかった。
新妻の肉体は、裕一との愛の営みだけでは満足していなかったのだ。
「アレ……しちゃおうかな……」
一人呟く紗希。
紗希の心臓は、ドキドキと高鳴っていた。
誰に気兼ねする必要もないという状況に、少しだけ、紗希の気持ちは大胆になっていた。
紗希はキッチンへと向かい、棚の奥から紙袋を取り出した。
リビングへ戻り、袋から紙包みを取り出す。
包みを解くと、ピンク色の物体が紗希の手の平に転がり落ちてきた。
それは、ファンシーな色とは対照的にグロテスクな男根の形をしたバイブレーターだった。
紗希がこんな物を持っていることを裕一は知らない。
紗希の独身時代の悪友が結婚祝いにと、悪ふざけで贈ってきたのであった。
貰った時は、こんな不潔な物をなんて思いながらも、捨てるに捨てられずにキッチンの奥に押し込んだままにしていた。
しかし、最近になって、紗希はこれを手にすることが多くなっていた。
それもこれも、昼間、一人でいる時に、身体が疼いて仕方なかったからだ。
そして、今日もまた、新妻はこっそりと淫具を手に取った。
ソファに座る紗希。
ゆっくりと足を広げ、ワンピースの裾を捲り上げる。
パンティの上から、バイブの亀頭部分をあてがう。
新妻は、熱を帯び始めた陰部を擦るように手を動かし始めた。
じんわりとした甘い感触が腰の辺りに伝わってくる。
やがて、手の動きと合わせて腰までもが物欲しげに揺れ始める。