第8話 復讐の叫び-2
その複数の女性とは、私と同じコンビニ勤務だった。
相手を挙げれば、私と親しい同僚や、中には人妻従業員とのW不倫もあった。
私がそれを知るきっかけとなったのは、店長との関係がしばらく空いた事への不信感からだった。
この時は、私も受験を控えており、バイト先は辞めていた。
店長との関係は続けていたが、自然と距離が空く様になった。
それでも、どこか不信に思った私が強引にホテルへ誘うと、ベッドの上で別れ話と一緒に告げられた。
しかも、何度も身体を交わした後だった。
当然、店長は先を見越しており、この日ばかりは、名残惜しむように時間を掛けていた。
皮肉にも、この時が今までに無い最高のセックスだった。
別れ際は、三度目の射精を顔で受けた時だった。
所詮は身体だけの関係・・・欲求を満たせば名残惜しむ仕草も見せずに、ニヤついた表情であっさり告げられた。
私は、店長のザーメンで汚したままの顔で、足元にしがみ付いて嘆願したが、そのまま足蹴にされて膝間づいた。
酷い仕打ちだったが、裏切られた事に対する怒りよりも、なぜか嫉妬心の方がこみ上げていた。
店長と交わした数々の至福を思えば、それが自分以外と思うと耐える事が出来なかった。
元々は不倫だが、身体だけの関係は私だけの物だった
その理由は、店長の夫婦間でのセックスレスだった。
しかも、今の私と同じように相手からの拒絶だった。
セックスを好んでた店長にしてみれば、耐えがたい物があったに違いない。
だから、私の様な無恥な高校生に近づいて、たぶらかしたのだ。
私が高校生の頃は、今と違って幾分かは風紀の乱れは少なかった。
当時の私は女子高に通っており、おさげ頭の髪型も合い重なって真面目な学生に見えた。
店長もまた、そんな私に合わせるように、指導の中で文学の話を混ぜながら優しく接してくれた。
私は次第に心を許していき、人として店長に惹かれていった。
何気に誘われた遠出のドライブも、私を見据えて博物館や美術館など楽しませてくれた。
車中での会話も弾み、歳の差も感じさせずに意気投合もした。
気づけば、決まり文句の『少し疲れたから休んで行こう』の一言で、私はモーテルの部屋に連れ込まれて居た。
回りを見渡せば全面鏡張りの部屋に、丸い回転ベッドが一つ置かれていた。
もちろん何をする場所なのかは、高校生の私にも分かっていた。
ちょうどセックスにも興味を持ち始めた多感な時期で、好きな人を思い浮かべながらの自慰行為は頻繁だった。
私は、口数の少なくなった店長と、ソファーに隣わせで座り緊張していた。
突然、タイミング見計らったかのように手を握りしめられると、私は驚いだ表情でしばらく店長と見つめ合っていた。
私が拒絶しない事を確かめると、店長は顔近づけて唇を重ねてきた。
雰囲気にのまれた私は、見る見るうちに衣服を脱がされて、気づけばベッドの上で、お互い裸のまま肌を交わしていた。
この時の店長に対しては、人として惹かれるものがあっても、恋愛感情などは無かった。
それでも、セックスに興味があり、経験だけはしておきたかった。
この頃になると、相手の理想は無くなり、初体験の願望だけが強くなっていた。
ならば、身近な目の前の店長は、手っ取り早い相手になった。
軽い気持ちだったが、歳を重ねた分だけ店長のリードは上手かった。
高校生ながら未熟な私のツボを引き出し、快楽へと導いてくれた。
初めて、男の物を受け入れる時も、優しく声を掛けながら、快楽で紛らわし沈めてくれた。
痛みと共に、私の中で蠢く違和感を感じながらも、鮮血の中で至福も迎えられた。
私は、終わりの口づけの中で、店長の事を愛してしまった自分に気づいていた。
初めての怖さを、至福の悦びに変えて導いてくれたからだ。
むしろ言い換えれば、店長を愛してるよりも、店長との至福を愛していた方が正確かもしれない。
これをきっかけに、私は高校生ながらセックスに溺れた。
二人きりで会う度に、ホテル三昧の繰り返しだった。
数を重ねる内に、店長の行為もエスカレートして行き、私をセックスマシンへと開花させてくれた。
もちろん店長は悦んで、二人で至福を深めて行った。
今思い返せば、レスだった店長のはけ口にされただけの事かもしれない。
それでも、二人で築き上げた至福だけは特別な物に感じていた。
その経緯を考えれば、店長に告げられた事は残酷だった。
すでに、数名の女性関係も匂わしており、私以外で悦ぶ店長の至福に嫉妬がこみ上げていた。
バイト先を辞めてから疎遠になってた、一つ下の元同僚もその一人だった。
私の後に入ってきたバイトの後輩だが、入れ替わる様に店長から目を付けられていた。
話によれば、私がバイトを辞めた時から関係を深めたらしい。
他の女性関係に関しても、全てが同じコンビニの従業員だった。