第7話 背徳の掟-3
彼は、私の両足首を掴んだまま、ペニスを挟んで上下した。
まるで仰向けのまま、屈伸運動をさせられた気分だった。
これならば、挿入の無い性的関係が成立する事を頭に浮かんだが、幼い彼が経験するには、少し大人びたフェチズムの様な気がして信憑性に欠けた。
私の度重なる憶測は、彼の真実を見据えようと試みていたが、それを打ち消すかのように彼のパンストプレイは続いた。
「いやっ!・・・このままなんて駄目よ!」
「はあ・・・はあ・・・僕は構いませんよ・・・このままヒロミさんの脚で迎えても・・・・・・。ヒロミさんのパンストを・・・僕の精子まみれにしてあげますよ・・・ふふ・・・・・・」
「お願い・・・タケルさんのが欲しいの・・・タケルさんので私も気持ち良くなりたいの・・・・・・・」
「はあ・・・はあ・・・だったら・・・僕の事を息子さんだと思っておねだりするんです。さあ・・・僕と一緒に・・・背徳の至福を迎えましょう」
「そ・・そんな・・・息子とセックスなんて考えただけでも・・・・・・」
彼は挿入の条件に、私の息子の名前で求めさせる悪魔の契約を執拗に迫ってきた。
行為の中で、私に息子との仮想セックスを思い描かせようとしていたのだ。
彼も同様に、私との行為の中でオーバーラップを試みているならば、過去で体験した近親者との仮想セックスを想い描くはずだった。
つまり、お互いが近親者との仮想セックスを思い描かせて、間接的な背徳感の中での至福を求めてようとしていたのだ。
むろん近親者との行為に興味の無い私としては、息子と関係を持つ事など、例え仮想セックスとは言え身の毛がよだつ思いがした。
それでも、焦らされた身体だけは、彼の物を必要としていた。
私が困惑する中、ペニスを挟んだパンストエクササイズは、綺麗に揃った脚が折り曲がる度に、彼の興奮を誘っていた。
「はあ・・・はあ・・・本当にこのままイキますよ・・・僕はもう我慢できないんです・・・はあ・・・はあ・・・・・・・」
私の両足首を持つ彼の手つきは、頂点に向けて早くなっていた。
彼は、もう限界を感じていたのだ。
その証に、私の履いたパンティーストッキングのつま先には、彼が我慢した物が付着していた。
「このままなんて嫌・・・お願いだから、私の中で迎えて・・・・・・」
「誰におねだりしてるんですか?。また僕の名前を呼んだら・・・このままイキますから覚悟して下さいね・・・はあ・・・はあ・・・・・・」
彼の言葉に、私の気持ちは焦っていた。
このまま彼に至福を迎えられては、私だけが捌け口を失う事になるからだ。
私はつま先で往復する彼の物を感じながら、密かに身体は火照っていた。
私の足に挟まる彼のペニスが、擬似的に自分の中で迎入れてる感覚になっていたからだ。
彼のペニスを挟んで揃えた脚の付け根の隙間からは、私の潤いにより染み広がる濡れたパンティーストッキングが覗いていた。
「お願いだから私の中に入れて・・・私を何度も激しく突いて・・・はあ・・・はあ・・・・・」
「だったら言うんです・・・誰のが欲しいか・・・・・・」
火照る身体は我慢できずに、息子の名前を言うくらいならと悪魔が走った。
「タ・・・・・・」
私欲と理性の狭間で、危険な天秤は動こうとしていた。
「タ?・・・タの続きは何ですか?・・・はあ・・・はあ・・・早くして下さい・・・僕はもう限界なんです・・・はあ・・・はあ・・・・・・」
「隆広・・・・・・」
「良く聞こえませんな・・・・・・。さあ・・・大きな声で感情をこめておねだりするんです!・・・息子のチ〇ポが欲しくて我慢できない母親を演じるんです!」
「隆広お願い!・・・お母さんに入れて!・・・お母さんを気持ち良くして!・・・はあ・・・はあ・・・・・・」
私は、ついに悪魔の契約書にサインをした。
例え仮想セックスの中であろうとも、息子を受け入れる覚悟を決めたのだ。
それは開き直りにも似ており、私は母親になりきって息子の名前を呼んでいた。
その姿は、家庭を顧みずに若い男の言い成りになる、醜い中年女に見えたに違いない。
それでも、性の解放を約束された私としては、どこか喜びを感じるところもあった。
それは、家庭と言う名の臓器を売り飛ばして、快楽の名の麻薬を手に入れる、中毒患者のように類似していた。
私はこれっきりと、息子に心で誓いながら、祈る様に彼の注射を待った。
私の目からはなぜか涙が溢れ、頬を伝いながらこぼれ落ちていた。
―つづくー