強請る兎-3
「わっ、ちょっと、会長……何を、しているんですか?」
「何って、もう何日も連続でしていることじゃない」
「あんなこと毎日されてたら、俺、もう我慢できなくなりますよ」
「フフ、もう、あたしが居るだけで興奮してきちゃうでしょう?」
ヨウコは後ろから、その少し厚ぼったくも形の良い唇を俺の耳にくっつけるようにして囁いた。
その感触が、くすぐったくもあり、心地よくもある。
何日も連続でしていること。
不謹慎にも、ツキコが休んでいる間に、ヨウコは自ら俺に迫ってきた。
せっかく童貞を卒業したんだから、もっと練習しておいたほうがいいでしょう?
ツキコちゃんがいる時は、こういうこと出来ないしさァ?
あたしのこと、好きなんだよねェ?
そんなようなことを言われて、俺はヨウコの試みに付き合わされてしまった。
彼女は俺にスキンシップを仕掛けて誘惑しつつも、最後まではさせてくれないのだ。
それどころか、射精することを許してくれなかった。
ヨウコはその豊満で瑞々しい肉体を使って俺を勃起させ、指で俺のそれを優しく扱いた。
それで十分硬さを確認した後で、口に含んで、唇と舌で包み込んでくる。
そのまま顔を前後させて、端正な顔を歪ませながら、俺に快感をもたらしてくれた。
だが、もう少し、という所でその行為をやめてしまうのだ。
ヨウコは悪魔的な微笑みを浮かべて、出しちゃ駄目よ、と囁く。
我慢している俺を見つめながら、ギリギリまで俺の勃起に奉仕して、寸前で止めるということが繰り返された。
結局、今日はここまで、と非情な宣言をして一方的にヨウコは行為を終える。
それが二日続いて、今日が三日目だった。
俺は彼女に襲いかかりたいような気分に囚われたが、それをするとヨウコとの関係はきっと終わってしまうのだ。何か試されているように思えた。
そして、俺がそう考えていることを見越して、ヨウコは危険な遊びを楽しんでいる。
耐え切れずに、何故こんなことをするのか聞いた。
ヨウコは、あたしをもっと求めて欲しいから、と答えた。
求めているじゃないかと俺は心の中で叫んでみたが、彼女にはそれも届かない。
それどころか、俺はヨウコからオナニーも禁じられた。
あたしも我慢するから。
さらっとそんなことを言われてしまっては、俺もなんとなく従わざるを得ない。
オナニーしたかどうかなんて分かりようもないはずだが、何故だかヨウコにはバレそうな気がした。
それで俺は、さんざんな仕打ちを受けたまま、我慢し続けているのだ。