うやむや-2
何日かした深夜、早坂さんから電話がきた。
私は深く眠っていて、完全に寝惚けた状態で電話に出た。
「利津子?」
「んんー」
「おい、起きろ。」
「んー、起きる…」
「…この間は言い過ぎた。ごめん。」
「んががっ」
「え、いびきかいてる?」
「んがっ、え、ごめん、なんて?」
「だから、この間はごめん」
「…あたしもごめんなさい…んががっ」
「…寝る?」
「…やだ、もっと話す…」
「…じゃあ、起きろ」
「…んー」
「利津子」
「んががっ」
「結婚しよ」
「…。
…は!?」
鳥肌が瞬時に立った。眠気は完全に飛んでいた。
「え…なんでこのタイミング…?」
「いや…寝惚けてるし、OKしそうだと思って…」
「いや、起きますよ…」
「で?」
「え?」
「返事」
「…いや、晃佑さんの事好きだけど…」
「じゃあOKね」
「…いやいやいや」
「なに、いやなの?」
「いやじゃないんだけど…まあ、ゆくゆくは一緒になりたいかなって気はするけど…」
深夜のベットの中で、突然の事にパニックになっていた。
話はうやむやのまま、電話は切れた。