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ところが、彼の腕が私を抱きしめようとした瞬間、私のケータイが鳴り出したんです。
無視しようと思ったけれど、着信音で裕美だと分かりました。
他の人だったら間違いなく無視だけれど、裕美じゃしょうがない(笑)。
目で、彼に「ゴメン」って謝って、彼も「いいよ」って、目で言ってくれて、電話に出ました。
「もしもし・・・。」
「せんぱ〜い! ゴメン、Hしていた?!」
もう、相変わらずのとっても明るい声。
裕美のいたずらっぽい笑顔が目に浮かんできて、私もつられて言ってやりました。
「ちょうどこれからってところ!!(笑)」
「わーい!」
「何それ!?」
「先輩、お腹空いてません?」
突然話が変わって面食らったけれど、裕美の場合珍しい事じゃない。
「空いてるよ。これから、何か食べに行こうと思ってたところだよ。」
「え? これからHするんじゃないんですか?!」
「だから、Hしてから何か食べに行こうか・・・・・って、何を言わす!!(笑)」
「じゃあ、私これからナベの材料買って先輩の家に行くんで、ゆっくりHに専念してて下さい!」
「え?」
「あ、慌てないで良いですよ。二時間くらいしてから行きますから。それでも、終わってなかったら、そのまま続けてていいし(笑)。」
相変わらず訳分かりません(笑)。
でも、私そんな裕美が大好きなんです。
「ちょっと待って」って言って、彼に「裕美が二時間後に来るよ」って言ったら、彼も笑いながら「二時間後じゃなくて、すぐに来れば良いよ」って言ってくれた。
「すぐに来て良いって!」って、わざと怒ったように言ったら、
「すっきりした後の方がナベが美味しいから、ちゃんとやる事やっといて下さいね。二時間後に行きます。ガ・ン・バ・ってね、せんぱい!」って、言ってさっさと電話を切られました。
相変わらずの小悪魔です(笑)。
それから、仕切り直しです(笑)。
本当は、「感動的な気分からそのまま感動的なH」というシナリオだったけれど、裕美のせいで、新居での初Hは慌ただしい感じになりました(笑)。