『SWING UP!!』第8話-9
「ここも、ちゃんと洗わないと……」
シャワーを手にして、ノズルの部分を自分の股間に持っていく。その日の汚れが一番集中する場所だから、特に念入りに洗っておかないといけない。
「ん、くっ……」
敏感になっている部分に温めの湯を浴びて、櫻子の身体がぴくりと震えた。
(洗ってる、だけなんだから…)
もちろん、言い訳である。
ジャアァァァァッ。
「くっ……ふぅっ……ん……」
お湯の水勢を、かなり強くしている。ノズルに穿たれている噴水口から、湯水が勢い良く吹き出して、それを直接浴びせかけられた桜子の秘花は、強い雨に打たれるがごとく、グロテスクな肉の花弁をびらびらと震わせていた。
「んっ……きもち、い……」
花びらだけでなく、花芯にも湯を浴びせかける。この部分もまた、丁寧に洗わなければ、世に言う“恥垢”として周囲に汚れが残ってしまう。
(彼が、触ってくれる場所だから…)
いつだって綺麗にしておかなければいけない。
「はぁっ……ん……く……」
それもまた言い訳の一つとして、桜子は、シャワーのヘッドを上下に動かしながら、花芯と花弁をそれぞれ交互に“洗い”続けた。
ジャアァァァァァ……。
「あ、はぁ……ん……んぅ……くっ……」
その息遣いは、非常に艶かしい。明らかに、“洗っている”のとは違う刺激に、陶然としている様子だ。
(洗ってる、だけだもん……)
もちろん、嘘である。
「あっ……ん!」
シャワーを持っていない左手の指が、花芯を摘んだ。びりっ、とした強い性的刺激が腰周りに走る。
(ここ、痛いだけ、だったのに……)
最近になってからだが、花弁の熟れ具合に呼応するかのように、花芯の感度もあがってきた。自分で触ってみるだけでも、痺れと甘さが綯交ぜになった、不可思議かつめくるめく官能の感覚が、体を走るようになった。
(クリ×リスって……いうんだよね……)
意外な事に、由梨はこの部分の正式名称を桜子に教えていなかった。桜子がそれを知ったのは、大和が花びらを愛撫をしてくれていたときに、ポツリと漏れた呟きの中でだった。その時は、恥じらいがあったので、詮索することが出来なかったのだが…。
それから興味が募って、ウィキ×ディアで拾ってみた。
『!』
まさか、ここまで堂々とした女性器のリアルな画像が出てくると思わず、桜子は慌てて画面を消した。使用していたのは、大学の図書館にある共用端末だったからだ。
幸い、周囲に人はまばらだったので、桜子が開いていたページを誰かに覗かれるということはなかったが、心理的に同じページはもう開けなかった。
『びっくりした…』
端末での検索を諦めたが、尽きない興味は“医学事典”という手段で解消することにした。
(オトコノコの、おち×ぽと、同じもの……)
海綿体組織からなる、陰核亀頭。官能表現的には、“秘芯”“秘核””花芽”“淫突起”“肉豆”“女チ×コ”などなど、数多に存在する書き手の妄想表現力が試されるものでもある。
…“クリ×リス”という直接的な言葉を使うとしたら、それは最後の最後なのだっ!
<それこそが、エロ小説家の気概よ!!>【談・郷吉】
…ですよねっ! ってか、消えてください!!
さて、である。
「あっ……く、う……んんっ……」
桜子の花芯は、既に固く尖っている。指先を鳥類の嘴に見立て、その突起をくにくにと啄ばむ。
「んっ!」
せりあがってくる快感に、桜子の背筋がぴんと反った。完全に、自らを慰める行為に没頭している様子であった。
(ちがうもん……オナニーじゃ、ないもん……こすって、きれいにしてる、だけだもん……)
腰を艶かしくもじもじさせて、乳首もぴんと尖らせて、何をか言わんやである。