『SWING UP!!』第8話-10
「あ……ん……きれいに、ならないよぉ……」
シャワーを浴びせているはずなのに、ヌルヌルしたものが花弁に纏わり付いていた。花芯を擦るたびに走る刺激的な淫悦が、蜜となって花弁の奥から零れてくるのだ。
「もっと……もっと、つよくしないと……」
桜子は、花芯を嬲り擦っていた左手を一瞬だけ離すと、
ジャアアアァァァァッッ!!
「んっ、くぅううぅぅんっ!」
シャワーの水勢を調節するツマミを廻して、その勢いを更に強めた。
「あ、あぁああぁぁぁ……!」
水圧が一気に強まり、花弁を無理やり満開にして、蜜の溢れる奥の部分まで穿ってくる。その圧力を受けた桜子の腰が、浮いてしまった。
「あっ、あっ……ん……!」
安産型の大きなお尻をバスチェアに乗せていた桜子だったが、強烈な水圧が生み出す淫悦に負けて、家にある和式のトイレで放尿するときのような、しゃがみこんだ体勢となっていた。
「んん、くっ!」
腹筋に力が篭もり、それが花弁にも伝わって、まるで食虫植物のように、ぐぱっと口が大きく開く。
「ひあぁんっ!」
狙い済ましたかのような高圧の水流が、敏感になっている内粘膜を穿った。
「ん……んん…!」
体の内奥で、マグマのように盛り上がっていく淫悦。その熱膨張は留まるところを知らず、理性という名の外殻を吹っ飛ばそうとしている。
「あっ……!」
膨れ上がってくるものは、花芯と花弁の間にある、小さな排水孔にも迫っていた。
シャワーによってひそかに刺激を受け続けていたその孔は、予期せぬ圧力に反応したものか、桜子が胎内に持っている水源から黄金色の水を引き、それを放出することによって、水圧の逆流に対抗しようとしていた。
(オ、オシッコ……でちゃいそう……!)
つまりは、そういうことである。
「あっ、あっ、あっ……!」
催した生理現象を自覚しながら、それでも桜子の指は止まらない。シャワーヘッドを、直接擦り付けそうなほど花弁に近づけ、その水流を浴びながら左手で花芯を擦りたてる。
(イ、イクッ……イッちゃうよぉ……!)
淫悦という名のエネルギーによって隆起していく、エクスタシーという名のマグマ。それを押し留めている、理性という名の外殻はそこかしこに亀裂を生じさせており、人類の叡智を集約させたとしても、迫り来るカタストロフィを避けることは出来そうになかった。
「あ、イクッ……!」
花芯を心持ち、強く摘んで、ひと擦りした瞬間だった。
「イ、イクッ……イク、ぅ……ん、んんううぅぅぅううぅぅぅ!!」
びくびくっ、と太股が震えた。紛れもない、性的噴火の始まりであった。
「あ、あ、あぁ、あ……は、ふあぁ……」
絶頂による、硬直と弛緩。
「は、あ、あぁああぁぁ……」
ややあって、大きな弛緩が桜子の身体を包み込み、それを表すように、だらしのない吐息が口から漏れた。
…その時、だった。
しょおぉぉぉぉぉぉぉ……。
「は……ふ…あ……あぁ……」
桜子の股間から、勢い良く飛沫が迸った。それは、透明なシャワーの水に抗うような、非常に濃い黄金色をしたものであった。
「オシッコ……でちゃった……」
つまりは、そういうことである。
しょろっ、しょろっ、しょおおおぉぉぉぉぉ……。
「あ……ふ……ん……」
桜子が開放した、生理現象の表れである金色の飛沫は、シャワーの水流とぶつかって、風呂場の床を敷き詰めるタイルの上に、バシャバシャと飛散している。
どちらも液体であることに変わりはないので、透明なものと濃い金色のそれとは、渦を巻くようにして交じり合い、同化して、風呂場の排水口へと吸い込まれていった。