姉の思惑-1
「ねぇ祐也、もぉちょっと下の方も押してくれる?」
「ん?
ここらへんかな?」
「そぉ‥‥腰の辺りが最近やたらと痛くてさぁ‥」
「どぉ?痛くない?
大丈夫?」
「大丈夫。痛くないわ。祐也のマッサージは本当に気持ちいいんだもの‥」
26歳になる姉の優花は、結婚を機に実家を離れてから時が経つこと3年。
ひとり暮らしをする弟、祐也のアパートにたまに訪れては、陸上部上がりでマッサージを少し噛んでいた祐也に、こうしてマッサージを頼んでいた。
「姉さんいつまでうちにいるんだい?」
「今晩泊まったら明日のお昼頃には帰るわよ。
しかしそんなこと聞いちゃって、美人の姉が居なくなるのが寂しいんでしょ?」
「そ‥そんなことないよ!!」
冗談混じりで問いかけてきた姉に、祐也は少しムキになって答えた。
しかし『美人の姉』という言葉には弟ながらも否定できなかった。
形の良い小顔に映える黒髪のロングヘアー、大きな瞳にぷくっとした小さな唇、どこをとっても美人という言葉がお似合いだった。
更にはグラビアアイドル級のスタイルまで兼ね備えていたのだ。
身長も高く、綺麗なくびれの上にはEカップの豊かなバスト。
ボリュームがありながらも丸く引き締まったヒップ。
その下にはスラッと伸びた長くて色白の綺麗な脚。
祐也は弟ながらも、そんな姉をマッサージできる事に喜びを感じていた。
「ねぇ祐也‥
もぉちょっと下のほうも押してちょうだい‥」
祐也は腰の付け根辺りを指圧した。
「ここら辺かい?」
「違うの‥
もっと下よ‥‥
今日はお尻もちゃんとマッサージしてちょうだい‥」
「お‥お尻!?
姉さんのお尻マッサージするなんて、俺イヤだよ‥‥」
祐也は弟ぶって心にもない事を口にしたが、心の中では『よっしゃぁ!』とガッツポーズをしていた。
これまで何度となく姉のマッサージをしてきたが、いつも肩と腰だけで、ヒップなど触れることが出来なかった祐也にとって、姉のリクエストはこの上ない喜びだった。
「ほら早くぅ。
形が崩れるから強く押しすぎたらダメよ。
下から上に持ち上げるように優しく揉み上げるの。わかった?」
「んもぉ‥‥わかったよ!」
面倒くさそうな振りをしてその手をヒップへと移したが、そのあまりの弾力と柔らかさに祐也は驚いた。
(姉さんのお尻‥‥凄い柔らかい!!
こりゃたまんないよ‥)
「ね‥姉さんどうだい?」
優花は吐息を漏らすようにそれに答える。
「んぅぅ‥‥凄く気持ちぃぃわ‥‥」
「良かった!それより姉さんのお尻があまりにも柔らかくてビックリしちゃったよ!!」
祐也は思わず本音を口にした。
「あらほんと?
祐也の彼女とどっちが柔らかいかしら?」
意地悪な問いに祐也が正直に答える。
「僕、今彼女いないんだ‥‥来年は就活も控えてるしね‥‥」
「そうなんだ‥。
しかし祐也はほんとに真面目ね!
それじゃあ女の子のお尻なんて触らせたら、ムラムラさせちゃうかしら?」
「そ‥‥そんなことないよ‥‥!!」
祐也は図星を突かれたようで、どぎまぎとさせながら反論した。
「ほんとに?
じゃあ今日は祐也に甘えてもう少しリクエストしちゃおうかな?
姉さんね、立ち仕事が多いから内ももの付け根がよく疲れちゃうの。
ちょっとやってくれるかしら?」
「ほんとに!?
うん!!やってあげるよ!!」
弟にムラムラさせちゃうと聞いておきながら、実はここ最近旦那との関係がなかった優花自身が、マッサージで火照ったその身体(からだ)をムラムラとさせていた。
欲求不満のその矛先は、弟である祐也に向けられていたのだ。
祐也がその手を内ももへ移そうとした瞬間、優花が思わぬことを口にした。
「あっ、ジーンズ‥‥
これじゃあやりづらいわよね?
ちょっと待って!
今脱いじゃうから!」
祐也は驚きを隠せなかった。
「えっ!?
脱ぐって姉さん‥‥パンティになるのかい!?」
「そうよ?
何か問題でもあるのかしら?
姉弟なんだから恥ずかしがることないわよね?」
明らかに卑猥な思惑を持っての行為だが、努めて冷静に問いかけた。
「そ‥それもそうだね!!」
祐也はまたも心の中でガッツポーズをしていた。