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恥辱書店 他二篇
【レイプ 官能小説】

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-2

先生は、吊りあげられたわたしのからだを、あらゆる角度から写真におさめる。
フラッシュが光り、カシャカシャという音が鳴るたびに、 
からだを流れる血が逆流するような快感に襲われる。
 
先生は声一つ出さず、ただシャッターを切りつづけるだけ。
そして、ポーズを変えるためにいったん結び目の一部をほどき、
今度は両足を地面につけ、頭を下げ、お尻を高く突き出した格好で吊り上げる。

温かな部屋の中には、先生のほかにもビデオカメラで撮影を続ける人、
光の加減を調節する人など数名の男性スタッフがいる。

みんなとても真剣なまなざしで、わたしのからだをみつめる。
でも、それは決して性の対象としてではない。

ただの、オンナのかたちをした「モノ」として。
その視線が、またわたしを刺激する。
もっと見られたい。
オンナとしてのわたしを、もっと深くまで、見てほしい。
 
撮影が終わるまで、何度も違うポーズで吊られるのだけど、
最後まで先生も、スタッフも、わたしのからだに必要以上に触れることはない。

これ以上ないほどに尖りきった胸の先端にも、
だらしなく潤み、太ももまで蜜を垂れ流す茂みの奥にさえも。
 
ただその部分にカメラが寄り、シャッターの奥におさめられるだけ。
どんなにせつない声をあげても、赤い縄がぎゅうぎゅうとからだを締め付けていくばかり。
このふくらんだ乳首を見て。
触れられたい、せめて、その舌先で転がされたい。
疼きを増す割れ目の奥を、犯すようにして突き上げられたい。
 どんなに媚びた目で訴えても、その願いが叶えられることはない。

ああ、でもなんて素敵なんだろう。
自分がオンナという記号をつけた、ただの「モノ」としてみられる快感。
 いやらしい形をした、愚かな生き物であることを認められる悦び。

日常を解き放たれて、すべてを忘れて……。
この空間に溶かされ、溺れてしまいたい。

わたしはどこか、壊れているのだろうか。


すべての撮影が終わり、縄が解かれる。
窓の外はすっかり暗闇に飲みこまれ、曇りガラスから水滴がしたたり落ちた。

わたしは全裸のまま、畳に手をついて先生にお礼を言う。
先生は満足そうに笑い、今夜はゆっくりして帰りなさい、とだけ言い残して部屋を出ていった。


いまからアトリエで写真の現像をするのだろう。
ひとり残されたわたしは、洋服を着て、曇った窓を手野平でぬぐい、外を眺める。

明日からはまたいつもの生活が始まる。
ここは、誰も知らないわたしだけの世界。
さっきまでの痴態を思い出し、わたしはひとり、笑った。

(おわり)


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