隠し事-6
「……ありゃ?」
カリーは間抜けな顔で肩越しにポロの方を向いた。
ポロはきょとんとしており、男2人組はカリーの剣幕に驚いて尻餅を着いている。
「えっと……」
「馬鹿カリー!どう見てもこっちの2人組が絡んでっだろうが!」
やっと追い付いてきたゼインがカリーの頭を叩いた。
「っと……このお嬢様にはもれなくこっちの怖いお姉さんが付いてくるけど、どうする?4人で楽しむのも有りだぜ?」
ゼインは2人組に目を向けて教えてやる。
2人組は「結構です」と大急ぎで逃げて行った。
「悪かったな」
2人組を見送ったゼインは背の高いスランを見上げて詫びる。
「いや、別に」
屈託の無い笑顔を向けられたスランは素っ気なく答えた。
カリーはこんなチビの何処が気に入ってるのか……スランにはいまいち分からない。
「ほら、お前も謝れっ」
(何も知らないクセにぃ)
頭をグイグイ押さえてくるゼインにカリーは理不尽な思いをしつつもスランに謝った。
「勘違いしてゴメンねぇ?」
いつも通りの謝っているのかいないのか分からないようなカリーの謝罪にゼインは息を吐く。
「ポロ、大丈夫か?」
ゼインに問いかけられたポロは、大丈夫だと頷いてスランに頭を下げた。
「……喋れないのか?」
殺せと命令されていたがターゲットの事は余り気にかけないスランは、ポロが声が出せないのを知らなかったのだ。
「ん?ちょっとな」
ゼインは適当に答えてポロを連れてその場を離れる。
残ったカリーにスランはボソッと呟いた。
「うかつ者」
「う……」
確かにおっしゃる通りなのでカリーは言い返す事が出来ずに言葉に詰まる。
「赤眼のカリオペってのは凄腕だと思ってたがガッカリだな……勘が鈍ったんじゃねぇ?」
「うるさいなぁ」
「あ、そういう事言うんだ?自分の失敗なのに八つ当たりするのがカリオペなワケ?」
「んもぅっカリオペカリオペ言わないでよっ!」
その名前で呼ばれると暗殺者暗殺者と言われてる気になる、とカリーはスランに食ってかかった。