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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第7話-3

 初回の攻防は、双葉大学が三者凡退に終わり、一方で東稜大学は、ソロと満塁による本塁打で5点を挙げていた。
 試合の趨勢は、初回にして早くも東稜大学に傾いている。
「GOOD JOB! よく粘りましたよ、みなさん!」
 もちろん、監督のエレナは消沈などしていない。
 5点を奪われた後、気持ちをきちんと切り替えて、三人で速やかに片付けたバッテリーの踏ん張りを称えながら、
「さあ、反撃開始ですよ!」 
 と、この回の先頭打者として打席に向かう大和の背中に、激励の言葉をかけていた。
「桜子」
「うん?」
 エレナの激励を受けながら、大和は次打者である桜子の傍に寄る。
「僕はこの試合、徹底的にチャンスメークに廻る」
「??」
「敬遠ならそれで良しだけど…。勝負してくれるとしても、僕はどういう形になろうとも出塁することだけを考える。だから…」
 そのチャンスを広げて、得点に結びつける役割を桜子に託したい。
「わかったよ、大和」
 大和の言葉に、大きな頷きで桜子は応えた。
「バッターラップ!」
 主審の導きに従い、大和は打席に入る。一瞬、捕手の様子を横目に見てみたが、相手は立ち上がるそぶりを見せなかった。
(5点差があるからだろうな)
 それを余裕と感じているのだとしたら、大和にとっては思う壺だった。
 相手が投じた初球はアウトコースへの直球。
「ストライク!」
 それは、きちんとホームベースを通過して、審判の右手を空に挙げさせた。敬遠は微塵も考えていない証であった。
 2球目は同じようにアウトコース。大和は振りにかかる。
「ファウル!」
 真後ろにその打球は飛び、背後のネットにぶつかって乾いた音をたてた。
 これでツーナッシングである。傍目に見れば、大和は簡単に追い込まれた形になっている。
 しかし、ここからが大和にとっての、強烈な揺さぶりの開始であった。


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