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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『SWING UP!!』第7話-13

(あんなことして……それで、あんなふうにしてもらって……たぶん、たぶん、あんなことまでしちゃうかも……)
 大和のブリーフを手にしながら妄想するその姿は、どう弁解しても“変態”としか言いようがない。
「………」
 洗濯機がなかなか廻る音がしないので、ちらりと様子を伺った大和にも、その姿は見られていた。ちなみに、洗濯機は風呂場と隣接した脱衣所にある。いまさらな話ではあるが。
(今日は、大和にもいっぱい気持ち良くなって欲しいな……)
 大和がこちらを見ているのにも気がつかず、桜子の妄想は止まらない。いつのまにかブリーフはほとんど口元まで近づけていて、そのまま被ってしまうのではないかと思わせるほどだった。
「桜子」
「ひあっ!?」
「まさか、被らないよね」
「え、え、えっ?」
 そうなってしまえば、本当の“変態”である。桜子の見せる全てを大和は受け止めたいと思っているが、使い古しのブリーフを被られるのはさすがに御免蒙りたい。
「そ、そ、そんなことしないよっ!」
 ようやくにして桜子は、大和のブリーフを両手で掴み締めながら妄想の世界に入っていたことに気づき、慌ててそれを洗濯籠の中に押し込んだ。
「た、たまたまだよっ、たまたま持ってただけ!」
「ふーん」
「ほんとだよ!」
 ごまかそうとする桜子のそんな仕種が、大和には可笑しくも愛おしく感じた。
「でも、お仕置きだな」
「えっ?」

 パンッ。

「ひぁん…!」
 大和は左手で、ジャージの上からでもはっきりとわかる、桜子の大きなお尻を軽くはたいた。珍しく、悪戯心をくすぐられたらしい。
「エ、エッチ!」
 お尻へのスキンシップは、恋人同士とは言え、あきらかなセクハラ行為である。顔を真っ赤にしながら、お尻を叩いてきた大和に対して、非難の眼差しを送る桜子であった。
「もぉ…」
 もっとも、それを完全に嫌がっていないということは、なかなか引かない顔の紅さによって明らかにしている。
 両頬を真っ赤にしながら顔を膨らませる桜子は、とても可愛かった。大和の胸に、桜子が感じているものと同じ疼きが生まれたのも、当然と言えるくらいに…。
「はは、ごめん。じゃあさ…」
「えっ……んっ……」
 桜子が何かを言う前に、大和はその愛らしい唇を、自分のそれで塞いでいた。
「これは、お詫びってことで」
「…もぉ」
 予想だにしなかったフレンチ・キスの攻撃に、桜子はもう何も言えない。そして、いきなりだったから、目を閉じることもできなかった。心情的にはそれがとても悔しかった。
「あ、あたし、お、お洗濯するんだから! 大和も早く、お風呂の用意をしてよねっ!!」
「はいはい」
 湯気でも立ち上りそうなほど更に顔を紅くしながら、洗濯物を黙々と籠に詰め込んでいく桜子。そんな桜子に苦笑しながら、大和は再び風呂場に戻り、湯船を洗うタワシの音を再開させていた。
 …そんな二人のやり取りを見せられれば、今風に言うのであれば、“リア充氏ね!”とのたまいながら、のた打ち回りたいところだ。しかし、これも失われた10年の贖罪と考えて、大和と桜子の戯れを第三世界から眺めることにしよう…。


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