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妖精トム・ソーヤの繁活
【ファンタジー 官能小説】

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雪下めぐみ-4

だが、彼女が言ってないこともたくさんあった。
それはよく夢を見るようになり、その中で体の中の声が聞こえるのだ。
それはどうやら夢の中で妖精とセックスしたときに、子宮に入り込んだ妖精球なるものの出している声らしい。
その声は中性的な声でこう言っていた。
『妖精は12才までの短い期間に、選ばれた女性と交わり、妖精の子供を作る。
そのときには女性は自分とそっくりの男の子を生む。なぜなら12才までの妖精は人間部分としての精子を出さずに妖精球のみを出すからだ。
だから懐妊した女性は自分と全く同じ人間を性を変えて生むことになる。
この段階の妖精は女性であることはない。普段の形は男性である。
懐妊した女性は生理が止まるが、子宮は膨らまない。妖精球は女性の卵子を取り込んで膨らむが、子宮とは別の空間で膨らむからである。
また、懐妊した女性は悪阻(つわり)になやまされることもない。
体内で赤ん坊が出す不純物は別の空間に捨てられるからである。
但し、栄養は健康を損なわない程度に母体から吸収されるので、食欲が出たり食事の好みが変化することもある。
また女性の体内で赤ん坊を育てる妖精球は、母体に病気の部分があればそれを根治する。
だから妖精を懐妊した女性はあらゆる病気や怪我などから守られる。そして不慮の事故に遭遇しても生存できることが多い。
なぜなら出生までの間母体を守らなければ胎児が危険に曝されるからである。
また妖精の子を出産した後も、女性の体は健康のままで、先天的な病気体質も改善されていることが多い。
そしてそこで得られた良い体質は子孫に伝えられることもできる。
期間についてだが、妖精の赤ん坊は3ヶ月後に泣き声も立てず姿も見えぬまま、女性に気づかれぬまま出生する。
何の痛みもなく産道を通過する感触もない。また懐妊のために女性は乳房が大きくなることもなく母乳が出ることもない。
妖精の赤ん坊は妖精球に包まれたまま出生し、その姿や声を誰にも聞かれることはない。
ただし、自分を生んだ女性には時折姿を見せることはある。
赤ん坊のうちはそれを包む妖精球が赤ん坊を育てる。だから母親たる女性は直接世話をすることはないが、時折生まれた妖精が姿を現したときは話しかけたりしてあげることはできる』
このような妖精の母になるための予備知識のようなものが夢を通して教育されるのだった。
このような知識が夢の形になって、繰り返し詳しく雪下めぐみに教え込まれた。
はじめのうちはショックだったが、アイドルの自分の生活に悪い影響がないことがわかると、落ち着いて受け入れるようになった。
そして雪下めぐみはトップ・アイドルとしての活動を続けていた。

 


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