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生徒はお嬢様
【コメディ 官能小説】

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生徒はお嬢様!?-5

「……はぁ。似合ってるんじゃないの?」
「何ですかその適当な感じは!」
 どうやら俺の言い方が気に入らなかったようで、頬を膨らませ怒っているとアピールしてくる。
「似合ってる。似合ってる」
「彼方さん!」
 はぁ……これも満足しないのな。仕方ない、きちんと感想を述べてやるか。
「似合ってて可愛いぞ」
「――――――っ!?」
 真面目なトーンで述べた感想を聞いた瞬間、パァと向日葵でも咲いたかのような満面の
笑みを浮かべて喜ぶ撫子。
 こんな言葉一つで、ここまで喜ぶとはね驚きだよ。
「可愛い? わたくし可愛いですか!?」
 しかし、ここまで調子に乗るのはいただけないな。
「いいから勉強を始めるぞ。早く準備をしろ」
 流れを無理やり断ち切り勉強の準備をさせる。調子に乗るのもいいが、やり過ぎはよくないな。
「ぶー、彼方さんの意地悪」
「意地悪で結構。撫子、君に勉強を教えるのが俺の役目だからな」
 ここで、だらだらと無駄に過ごしたら何のために俺が居るのかわからなくなる。
「わたくし、あまり頭はよくないのですけど……」
「そのための勉強だろ」
 頭が悪い奴は決まって勉強の仕方や、要領が悪いだけなのだ。だから誰かがきちんとそ
いつに合った勉強の方法を教えてやれば問題はない。
 それだけで基本的に学力はあがるはずなのだから。
「よし、まずは基本的な学力を測るために軽いテストをしてもらおう」
「えぇっ!? て、テストですか!?」
「ああ。実力も分からないと何から教えていいのか分からないからな」
 何が苦手で、何が得意なのか把握しておく必要がある。それによって、また教え方も変
わってくるからな。
「わたくしテストは嫌いなのですが……」
「好きか嫌いかなんて関係ない。こっちも仕事だからな、やるべきことはきちんとやらないと」
 ここでコイツを甘やかしてしまっては、何のために俺がここに居るのか分からなくなってしまう。
「とにかく、俺が用意したこの問題を解いてみろ」
 前日に作成をしたプリントを撫子に渡す。特に難しい問題を書いているわけではない。
本当に撫子の実力を測るためだけに、適当な問題を用意しただけだ。
「うぐ……っ、早速難しいそうなものばかりなのですが」
「一応、そっちの学校の実力に合わせているはずだけどな」
 金持ちのお嬢様が通う学校。設備や伝統は他の学校とは比べ物にならないが、勉強の内
容は他とそこまで差はない。だからまぁ、この程度の問題なら解けるはずなんだが……
「……解りませんわ」
「……マジ?」
「ええ。大マジですわ」
「…………」
 俺の予想とは違って、コイツはかなりのバカだったようだ。行動の一つ一つがバカなの
は理解していたが、まさか頭の方もここまで酷いとはな……
「か、彼方さん……?」
 今にも泣きそうな顔で俺を見上げている。天下の九条家の一人娘がこの頭の悪さでは、
何かと拙いだろ。天才……とまではいかなくとも秀才ぐらいの学力がなくては、舐められ
てしまうんじゃないだろうか?
「お前……学校で、バカにされたりはしないのか?」
 普通の学校なら、確実にバカにされてるぞこれ。


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