第3話 性癖の刻-1
「さあ・・・僕に見せて下さい」
彼は、私の右太ももの内側に手を滑り込ませると、まるで御開帳するかのように脚を開いた。
黒い茂みが透けるパンティーストッキングは、彼に愛された分だけの染みが広がっていた。
ここまでくれば、中年女の恥じらいもどこ吹く風で、若者のみなぎリ溢れる性欲に、身を任せるだけだった。
彼は、私の開いた右脚を、自分の左脚の上に置いて絡めていた。
お互いがベッドの上でガニ股になる、卑猥な光景だが、私の密着するパンティーストッキングの感触が、彼の好物だった。
そのまま彼は、私の開いた局部に、右手を置いた。
「ヒロミさん・・・凄く敏感なんですね。こんなに濡れてますよ」
彼の言葉に、私は思わず脚を閉じようとした。
一度は開き直っても、言葉にされて再び恥じらいが芽生えていた。
それでも、絡んだ彼の脚は中々外す事は出来ずに、脚を曲げてはジタバタするしかなかった。
私はまるで、蛙が仰向けでもがく様な醜態を曝した。
それを見ていた彼は、なぜか至福の表情を浮かべていた。
私と一緒に脚を曲げながら、絡みついて来るパンティーストッキングの感触を堪能していたからだ。
彼は、擦れる度にザラつく摩擦に、目を瞑りながら天井を見上げて陶酔した。
「お願い・・・恥かしいから辞めて・・・・・・」
私は思わず、声に出していた。
「はあ・・・はあ・・・この感触がたまりません。ヒロミさんの絡みつくパンストの感触が気持ち良いんです。お願いです・・・しばらくこのまま続けさせて下さい」
彼は行為を続けたまま私の方を振り向くと、目を開けて言葉を返した。
「だって、こんな姿・・・誰かに見られたら・・・・・・」
「ふふ・・・誰かって・・・僕たち以外誰も居ませんよ。ここに居るのは、愛し合うヒロミさんと僕だけです」
確かに彼の言う通りだった。
ここはモーテルと言う、男女が愛し合う以外は誰にも邪魔されない密室の空間でありながら、私は野暮な事を言っていた。
それでも、全裸にパンティーストッキングを履かされて、蛙のように仰向けで脚を広げる姿は、後にも先にも無い一生の恥を曝してるようだった。
これを他の誰かに見られたらと思うと、背筋が凍る思いがして、咄嗟に出た言葉だった。
「でも、こんなの嫌だわ・・・お願い・・・タケルさんあまり見ないで・・・・・・」
「ヒロミさん・・・言葉では嫌がっても・・・本当は悦んでるのは分かってます。だって、ヒロミさんのパンスト・・・まるでお漏らしでもしてるみたいに、どんどん濡れていきますよ」
彼の言葉通りに、私の履いたパンティーストッキングは、見る見るうちに染み渡るのが分かった。
まるで、感度を示すリトマス試験紙の様だった。
もちろん結果は、見ての通りの良好で、彼によって潤わされていた。
「いやっ・・・それは違うの。だってタケルさんが・・・・・・」
「ふふ・・・パンストは嘘を付きません・・・ただ真実のみを写し出すだけです。さあ・・・僕の前に曝け出して下さい。真実のヒロミさんの姿を・・・・・・」
彼は、センターシームで食い込む、私の割れ目を指先で軽くなぞった。
「本当にヒロミさんは泣き虫だな。ほら見て下さい・・・こんなに泣いてますよ?」
さらに、涙で比喩しながら、私の物で濡れた指先を見せつけた。
彼は、すでに私を支配したものと思い込み、快楽だけでなく自分にも酔っていた。
それは態度からも分かる通りに、初めに会った謙虚な美青年の姿は、そこには無かった。
パンティーストッキングに魅せられた美青年は、魅惑の呪いに掛けられて魔性へと変貌した。
「だから本当に・・・タケルさんが私を・・・あっ・・・・・」
彼は再び、私の物へと手を置いた。
その手の温もりに気付いた私は、思わず声で反応した。
「良いんですよ・・・もっと声に出しても・・・・・・。本当は気持良いんでしょ?」
彼は手始めに、センターシーム越しの割れ目を中指で往復させながら、私の反応を伺うように囁いた。
「あっ・・あっ・・・だって・・・・・」
「『だって』だけじゃ分かりませんよ。さあ・・・『だって』の続きを教えて下さい」
「だって・・・タケルさんの指が凄くイヤらしくて・・・・・・」
「この・・・僕の指がですか?」