第3話 性癖の刻-2
彼はそう言いながら、私のクリトリスを中指で力強くバイブさせた。
「あっ・・あっ・・あっ・・・そう・・・その指・・・タケルさんの、その指がいけないの・・・・・・」
彼の指使いにたまらず、私は腰を反りながら、ただ快楽に身を委ねるしかなかった。
時には優しくなぞり、時には力強く擦る彼の指使いは、機械的な物と違い温かみのある振動だった。
寂しさ紛れの普段の物とは違う、彼の緩急ある振動に私の身体は導かれていた。
「僕がいけないんですか?・・・はあ・・・はあ・・・この僕の指が、ヒロミさんの事を泣かせてるんですね」
さらに彼は、中指の根元をクリトリスに押しつけて、指先でヒダを掻き分けて私の中へ踏み入れようとしていた。
もちろん彼の指先は、私の履くパンティーストッキングで遮断されていた。
それでも、パンティーストッキング越しに焦らされた彼の指先は、ナイロンの摩擦を帯びながら私の割れ目で上下していた。
「やだっ・・・タケルさんの指が・・・パンストの感触でもっとイヤらしくなってる・・・・・・」
「ふふ・・・ヒロミさんも好きなんでしょ・・・この感触・・・・・・」
ザラついた感触は彼と同様に、私の感度も上げて虜にしていた。
「ほら・・・見て下さいよ・・・ヒロミさんの涙。パンストがもうベトベトになってますよ」
彼は、腕枕で寝る私の肩を抱き寄せて、濡れたパンティーストッキングを見せつける様に上半身を起こした。
「いやっ・・・タケルさん恥かしいわ。お願いだから見ないで・・・・・・」
私の物で濡れたパンティーストッキングは、黒い茂みどころか割れ目さえも透けて張り付いていた。
あまりにも卑猥な光景に、私は思わず視線を外して、彼の胸元に顔を埋めて恥じらった。
「ヒロミさん・・・何も恥じる事は無いですよ。ほら・・・よく見て下さい・・・ヒロミさんの涙で光輝くパンストは、何ものにも代えがたく美しい・・・・・・」
彼は行為を止めて、胸元で抱きつく私の髪を撫でながら、キザな言葉で語り出した。
綺麗な顔立ちの彼には嫌みなく自然と合い、私を酔わせていた。
「駄目よ・・・そんなキザなセリフを言っても・・・もうベトベトして我慢できないの・・・・・・。お願いタケルさん・・・パンストが脱ぎたいの・・・・・・」
私は彼の胸元に頬擦りをして、甘えた声で返した。
「ふふ・・・じきに慣れますよ。今日は僕と一緒にパンストプレイを楽しみましょう」
「パンストプレイ?・・・・・・」
私は、初めて耳にする言葉だった。
それでも、簡単な単語が並んでるだけの言葉に、何となく意味は察した
「ええ・・・そうです。ヒロミさんは、ただパンストだけを履いてれば良いんです。今日は、ヒロミさんのパンストで・・・色々と楽しませてもらいますよ」
「それって・・・ただパンストを履いたままセックスするだけじゃ無かったの?」
「ええ・・・その前に、僕とパンストプレイのお相手をしていただければ・・・もちろんセックスもします。ヒロミさんだって・・・僕のが欲しくて我慢できないんでしょう?」
彼はそう言いながら、私の手を掴み自分の物を握らせた。
「タケルさんのだって、こんなになって・・・それはお互い様よ。それにしても・・・パンストプレイって、何だかイヤらしい響き・・・・・・。タケルさんの言い方も初めてじゃないみたい・・・・・・」
「ふふ・・・そうです・・・パンストプレイはイヤらしい・・・今のヒロミさんの様にイヤらしいです。そして・・・僕も初めてのパンストプレイをヒロミさんで経験するんです。しかし、御安心下さい。僕も知識だけは備えております。あの日を境に僕は・・・パンストに狂わされて・・・パンストの虜になり・・・そして・・・パンストプレイに辿り着いたんです」
語る彼の目は、正気の沙汰では無かった。
まるで何かに取り憑かれた様に、自分のフェチズムを語っていた。
それはただ、パンティーストッキングに対する執着心からの現れだろうと、この時は単純に思った。
ただ気になるのは、ここまでに辿り着く過去の彼との接点だった。
彼が語る上で、パンティーストッキングへのフェチズムを植え付けさせたのは、彼の過去の出来事にあるのは間違い無かった。
私はしばらく思い悩んだが、彼と会ってから数時間としか経たない今の私にとっては、まるで知る由も無かった。