puppet title-4
その少女と別れて一旦家に帰り考える。美術部員一人を除き殺された。皆殺しだ。虐殺だ。殺戮だ。おかしな殺し方と言う点、同じ学校内という点から見たら、その最後の美術部員、名前は富田一流と暫定できるか。しかし、何度考えても変な名前だな。しかし一流っていう漢字がむかつくな。この世の奇跡を全部集めたような私の宇桜優伊奈を殺すようなド変態のくせに、一流は無いだろう。富田十八流でもまだ足りないくらいだぞ全く。
とにかく、その富田バカ一流が私の復讐すべき対象と言うことになる。しかし富田アホ一流が美術部を全滅に追いやったのかは分からないというのが現実だ。どうしよう。きっと私の愛しい宇桜優伊奈も天国で仇討ちを望んでいるはずなのに。でもなー警察が一応調べてるはずなんだけど、でも犯人捕まってないんだよな。最近のニュースを聞く限りでは。こんなどう考えても同一犯だろお前こんな事件よーちょっと考えただけで分かるだろーお前こんな回りくどいやり方で殺人行為を成し遂げる人間なんて二人も三人もいねーだろーがよこの無能どもが、って感じだが犯人は捕まってないのだ。私ごときに犯人が分かるのだろうか?もしも私がこの美術部全滅事件の犯人として、そんな噂が校内で流れているのを黙視していただろうか?いや、しないな。たぶん警察としても捜査が雑になっているといは言え、高校生が人を殺し続けて、尚且つそれに毎度毎度なにやら訳の分からない処置を施しているのだ(たぶん芸術をあらわしていると思うのだが。こういう面から見ても富田生きる価値無い一流は怪しいと思うのだが。美術部員だし)から、捜査の網に引っかからないわけがない。これはもしかしたら外部の犯行なのかも知れない。
けれど富田ボケ一流しか私には怪しく思う対象が無い訳で。とにかく話を聞くだけでも聞いてみたほうがいいのかもしれない。明日はとにかく富田死ね一流の事を調べてみよう。あームカつく。くそーなんで私がこんな面倒なことをしなくっちゃならないんだ。腹が立つ。復讐って実に手間がかかるな。でも、天国で私の宇桜優伊奈が私の事を見てると思うと、よーし一丁がんばってみるかっていう気になるから不思議だ。まあ、私は心の底から優しい人間だから仕方ないかな。
どうでもいいが最近のこの近辺の警察は仕事がものすごく雑だ。殺人事件がとにかく多くて暇がないのは分かるが、「殺人事件如きで騒ぐな」といった感じなのだ。慣れというのは怖い。本当に、慣れというのは怖い!
翌日からは、言わずもがなストーカー的な行いで捜査を続ける。ストーカーと刑事(もしくは探偵でもいいけど)の違いは、ただ単に仕事か私情でやっているかどうかの違いだと思う。尾行とストーキングって言い方は違うけど行為自体は何も変らない。はずだ。だから私はストーカー…というか少女たちを誘拐してコレクションにするなんて絶対にしそうに見えない(ええ、自覚していますとも。それが犯罪だと言うことは。それが変質者のやるような犯罪だと言うことは)様に細心の注意を払い、学校の生徒に次々とコンタクトを取る。情報を聞き出す。少しでも怪しまれた場合は「おっと、申し遅れましたが、私はこういうものでして」と言って探偵だと肩書きの入った名刺を渡せばいいのだ。清潔な身なりと、なんとなく只者ではないオーラを発しておけば、意外に何とかなる。いや、本当に意外なんだけど、何とかなるんですよ。あまり名刺を渡すのは気が進まないのだがね。信頼の置ける名詞屋に作ってもらってるけど、嘘ばっかりの名詞一枚で自宅の住所を特定してくる輩もいるから。
けれど虎穴に入らずんば虎子を得ず。リスクを恐れていては美少女を捕まえることができない。私の天使、宇桜優伊奈たんを殺した相手に復讐する事もできないからね。リスクを恐れず果敢でいて知的に。そして大胆かつ緻密に調査した結果で、富田魚の餌に最適一流の自宅の電話番号をゲット。さすが私だ!拍手を送ろう!スタンディングオベーションだ!今日が休日で部活動をしている生徒にしか話を聞けなかったと言う点を除けばもっと早く分かっただろう。しかしまあ、時間はもう午後7時10分前。もう下校時間はとっくに過ぎてて部活をしているのもごく僅かだ。最終下校時刻のアナウンスも聞こえてくるし。しかしこんな時間になっても部活するんだな…一応殺人事件が勃発している町だぞ、ここは。PTAから苦情は来ないのかな?いや、部活動してるから今日、富田犬以下の知能指数一流に関して、ここまで成果が上がったんだけどね。
兎にも角にも、流石に美術部は部活事態やっていないらしいし。電話帳で富田クソ喰らい一流の住所を調べてみようかと思うも、回りに公衆電話がない。仕方ないので家に帰って調べてみよう、そう考えながら帰路に着きながら富田家に、ひとまず携帯電話で電話をかける。