終章・最後の贈り物-16
輝は年明けに提出するレポートを書き終えて
「これで明日印刷して終了....」
そう言ってパソコンのファイルを閉じた。寝る前にヌイておこうとパソコンに保存しておいたファイルを開こうとした時ドアをノックする音が聞こえ慌てて開くのを止めた。
「輝..起きてる?」
遥香の小さな声が聞こえた。
「うん..起きてるよ!」
輝が答えると遥香が部屋に入って来た。
「寒いね....外..雪降ってるよ....」
輝はカーテンを少し持ち上げてその隙間から外を見た。
「本当だ....この降りだと積もるかもしれないね!」輝が笑顔で遥香の方に振り返ると
「勉強の途中だったの?お邪魔だったら....」
遥香が机の上を覗き込んで尋ねた。
「ううん....今レポートを書き終えた所だから....大丈夫だよ!何か用?」
「輝にもナッちゃんからメールが届いているのかな?って....」
「えっ?ナツ姉ちゃんから?どうして?」
「ナッちゃん..送信日指定のメールサービスに申し込んでいたみたいで....今日届いていたの....」
「そうなんだ....すぐにチェックしてみるね!」
輝はパソコンのメールを調べ始めた。遥香はベッドに座ってパソコンを覗き込んでいる輝の後ろ姿を見つめていた。
「本当だ!ナツ姉ちゃんからメールが届いてる!」
輝はそのメールを開いた。
[輝!
頑張れ!
男でしょ!]
それは短いが菜摘らしいメールだった....
「ハル姉ちゃんに来たメールには何て書いてあったの?僕のは......」
輝がそう言って振り返った時
「......好き.......」
微かにそう聞こえて唇をふさがれた....
「....ハル....姉ちゃん....」
遥香が唇を離した時、輝は戸惑いながら声を絞り出した....
「ゴメンね....私やっぱり....輝の事....」
輝は言葉の途中で遥香を抱きしめた....
「僕もハル姉ちゃんの事が好きだよ!」
「輝....」
遥香もまた輝を抱きしめた....
その後ゆっくりと輝の体を押して遥香は輝から離れた....二三歩後退って
「輝....今ならまだ間に合うよ....普通の姉弟に戻った今なら......」
遥香は淋しそうな笑顔を浮かべた....
「ハル姉ちゃんは後悔しているの?僕とああなった事....僕と一つにはなってくれないの?僕は....僕は....」
輝はうっすらと涙を浮かべていた....
「私は....後悔なんかしていない....出来るなら輝と....」
遥香はそう言って着ていた毛布を下に落とした....一糸纏わぬ姿の遥香がそこに立っていた....輝は椅子から立ち上がって遥香に抱きついた....
「僕だってハル姉ちゃんと....」
遥香は輝の唇に唇を重ねて
「本当にいいのね?....この先に進んだらもう戻れないのよ....それでもいいの?」
「うん....僕はやっぱりハル姉ちゃんと....」
「ありがとう輝....」
二人は再び唇を重ね合わせた....遥香は輝の服を脱がせてベッドに倒れ込んだ....二人は唇を貪りながらお互いの体を弄り合った....
「私もう我慢出来ない....」
輝の上になっていた遥香は輝のモノを掴むと自分の中に導き入れた....
「ハル姉ちゃん!着けてないよ!」
遥香とする時は必ずコンドームを着けていたので輝は慌てて叫んだ。
「いいの....今日は大丈夫な日だから....」
そう言って遥香は腰を動かし始めた。