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クリスマスブルー
【OL/お姉さん 官能小説】

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クリスマスブルー-1

「クリスマスはどうするの?」

ある意味禁句とされるこの一言をとうとう口に出してしまった愚か者がいた。

「どこも予約が取れないから、彼のところでジミクリよ。」

「人混みになるのは目に見えてるんだけど、行ってみようかって…遊園地のナイター営業。」

本当は言ってみたかったけど、空気の重圧に押し潰されてた女たちは口々に聞きたくもない私情を打ち明ける。
もう、そうなってはそんな予定の微塵もない私たちはただ聞いてるしかないのであった。

「業務2課の斎藤たちとクリスマスコンパするんだって、一緒に行こうよ。」

マキが私を誘った。
どうせする事もないんだけど、マキの暖かい好意は実に癪にさわる…
普通に合コンならまだしも、クリスマスにまで斎藤たちのオヤジギャグに付き合わされてちゃ余計ブルーになってしまう。

そう、私はどうせ寂しい女なのよ。
ひねくれちゃって、他人の差し伸べた愛の手にもすがれない。

クリスマスなんか早く過ぎ去ってしまえばいいのよ。
12月に入ってからの25日間は苦痛以外のなにものでもないのだから。

「アツコもしかして、予定あるの?」

マキはわざわざ私の前に回って顔を覗き込んだ。
おかしな顔してる。彼女の顔の半分にはいい男と約束があるなんて、嘘吹いてやりたいがもう半分はやはり私の親友でしかも寂しい女同士なのだ。

「私、アツコも連れて来るなんて言っちゃったよぉ。」

「何であんたが私の予定まで決めてるのよ?」

「いいじゃん、どうせ何もないんでしょ?行こうよ。」

「行ってきなよ、私は…」

何で言い訳に困らなきゃならないのよ。
嘘みえみえのハッタリでもぶつけてやりたかったけど、それすら馬鹿馬鹿しくて言葉も出ない気分だった。

… … … …

息をしているだけでもクリスマスは簡単にやって来た。
今年は祝日が絡んで土日月の三連休になる。
最終日がちょうどイヴにあたるわけだから25日は平日になる。

どうにしても「どうか私を探さないで」と姿を眩ましてしまいたい気分だった。

マキのやつ、今日はコンパなんだ。
私もつまんない意地を張らずに行くべきだったかも知れない。
業2の冴えない連中とつるんでるマキの方が私よりずっといいように思えてならなかったのだ。

そんな事を思いながら、すっかり忘れてた鉢植えのシクラメンに水をやっていたら、そのマキから電話があった。


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